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zoom RSS イラン写真紀行(その3)

<<   作成日時 : 2008/07/11 04:53   >>

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画像今日の「写真紀行」は、「世界の半分」エスファハーンです。
前回の写真紀行で、アゼルバイジャン地方に興ったサファヴィー朝(1501-1736)のことと、その最初の都タブリーズ、その周辺地域を写真でご紹介しましたが、今日は、後に遷都しサファヴィー朝の都となったエスファハーンの風景をお伝えします。
エスファハーンでは、同王朝の豪華絢爛な文化が花開いていきます。イラン(いや、むしろペルシャですね)と聞いて一般の人が思い浮かべるものの殆どが、このエスファハーンに、そしてサファヴィー朝時代の文化にあると言っても過言ではないと思います。いわゆるペルシャン・ブルーと言ったら、エスファハーンのエマーム(イマーム)広場のモスクのドームの映像が真っ先に頭に浮かぶだろうし、イスラーム都市と言ったときに、同じ広場の風景を思い浮かべる人は決して少なくないはず。

しかし、ご紹介・・・とは言っても、実はいまさらな感じで。
エスファハーンはテレビや映画、雑誌などでも取り上げられる機会が多いので、お馴染みの風景ばかりかと思います。私自身、2003年(だったか)に上映されたイラン=日本合作映画『風の絨毯』に出てきたエスファハーンのモスク、広場、路地の風景、繊細な柄のペルシャ絨毯の映像が、強烈に脳裏に焼きついています。また5年ほど前にNHKの番組で、マスジェデ・エマーム(イマーム・モスク)のドーム部分のタイルを修復する熟練の職人さんの特集が組まれていたのも、すごく印象に残っています。(ちなみに、現在、ドームの修復は終了。ただし、中庭の床タイルを修復中につき、中庭には興ざめな大きなテントが張られ、視界を遮っています。今から訪れる方は覚悟ください!)

さて、イランに来て10ヶ月。私がエスファハーンを訪れたのは既に3回。いずれも日本から来てくれた友人たちと一緒だったわけですが、エスファハーンはそれだけ観光で訪れる機会が多い場所だということですよね。
もし、私が一人だったなら、もしかしたらエスファハーンはとっても訪れたい場所・・・というわけではなかったかもしれません。(mondoさんもそうだね)でも、普通に文化・歴史・美術に興味がある方なら、エスファハーンはイランを訪れたなら絶対に行っておくべき場所の筆頭に挙げられることは間違いないでしょう。
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イランの代表的手工芸品「ミーナーカーリー」。モスクの天井デザインがモチーフ。日本にいた時にもいくつか持っていましたが、ひとつひとつ手作りゆえに微妙に模様・デザインが違い、いくつあっても欲しくなる。もともとそんなに安価なものではないけれど、年々値上がり傾向にあり。模様やデザイナーの知名度にもよるが、直径15cmくらいの飾り皿で2500〜3000円ぐらいが相場。
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店先でミーナーカーリーに色付けする絵師。
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マスジェデ・エマーム近くにある土産物屋。うまく写真には撮れなかったけれど、繊細な細工が施されたランプ・シェイドも、いつかぜひ買い求めたい(買い物嫌いの私が言うので、相当ほしいってことです)。
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マスジェデ・エマーム内部。(あえて、有名な入り口のエイヴァーン(イーワーン)写真などは載せませんよ・笑)
光と影の描き出す光景が、イランのモスクはいつもドラマチック。タイル模様は、「アリー」と「モハンマド」をアラビア文字で綴った装飾文字。
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とっても素敵な「一本眉」!(ダブルMちゃん、載せちゃったよ・笑)
@夕方のエマーム広場にて。この得意げな顔とポーズに惚れた!
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エスファハーンでは、ザーヤンデ川を挟んで、いくつか趣のある橋が架かっています。この橋は、ハージュー橋。橋の下部には、チャーイハーネも。5月に訪れた時のチャーイハーネでのお茶(@スィー・オ・セ橋の下)は気持ちよかったけど、1月(こちらも@スィー・オ・セ)は死にそうに寒かった!出された紅茶もあっという間に冷め、いったいあったまりに来たのか、凍えに来たのか解らなくなった。(この写真は1月に訪れた時に撮影)
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イランにはアルメニア人も多く住んでいますが、エスファハーンのアルメニア人地区(ジョルファー地区←前回ご紹介したナフチェヴァンとの境の街と同じ名)は、とても有名で、教会もこの一帯に点在しています。この地区を訪れると、明らかにイスラーム都市とは違った雰囲気が感じられます。広場の形も正方形(イスラーム都市の広場は長方形)、西洋風のカフェが多い、建物の色合い(淡いクリーム色)などなど・・・。ジョルファー地区のアルメニア人の職業として一般的なのか、錠前屋の看板や、壁に「錠前屋あります」の宣伝文句が書かれているのを多数目にします。ちなみにテヘランでは、アルメニア人の仕事としては、自動車工やカフェのオーナー、旅行業の人が多いと聞いています。
写真は、ヴァーンク教会の回廊に残るフレスコ画。色彩感覚やモチーフに、「イラン的なもの」随分多く見られると思います。アルメニア正教会であるヴァーンク教会内部の壁絵、特に「最後の審判」の地獄絵は、新しいもの(100年ほど前のもの)ではありますが、ぜひ見るべきです。
ジョルファー地区は、他にも写真を載せようか迷ったのですが、あまりに枚数が多くなりそうなので、今回はこの一枚きり・・・。この地区は大好きなので、いずれなんらかの形で、もっとネタが集まったときやクリスマス(ユリウス暦の)近くになったら、再度何か書くかもしれません。
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こちらも、1月に訪れた際に撮影したものなので、人々の服装を始め、寒々とした光景なのですが・・・。
バーザールも、今までいくつも訪れ、それぞれに趣・特徴がありましたが、エスファハーンのバーザール(特に食べ物を扱うバーザール)は、『千夜一夜』のアリーバーバーたちが闊歩したバーザールのイメージが、強くって。
重みで垂れ下がる天幕、雑多な雰囲気、商売人の客引きの声、埃っぽい空間などなど・・・。日本人誰しもの頭の中に在る中東のバーザールのイメージは、ここを訪れることにより、ある程度再現されると思っています。
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数あるイランのモスクの中でも印象的なマスジェデ・ジャーメ(ジャーメ・モスク)。
このモスクは、メフラーブ(メッカの方向を示す壁の窪み)、メンバル(説教壇)、タイルなどの装飾を一切省いた剥きだしのドームや柱、内部に光の差し込んだ時の厳粛さ、均等に並んだ柱の織り成す秩序の美など、何度訪れても飽きさせない魔力がいくつもいくつも宿っています。このモスク、私、相当好きですね〜。
写真は、1月の最も寒い時季に撮影したもの。列柱の並ぶ伽藍、ドーム型の天井の明り取りから差す光、床には降り続けた雪の足跡・・・。何もない、誰もいない「石の空間」は、静寂と、凍てつく寒さが支配していたけれど、それゆえに尚更、このモスクの荘厳なムードを肌に刻みつけることができました。マスジェデ・ジャーメの雪が積もった外観は、『地球散歩』に載せていますので、よろしければそちらも文章と共にお楽しみくださいね。
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こちらもエマーム広場にある可憐なモスク、マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラーの天井。これまた大好きなモスクですが、光の入り具合によって、天井の模様が、孔雀の胴体と羽に見えるという仕組み(わかりますか?)。このモスクは、とにかくどこを切り取っても、どんな時間帯に訪れても、どんな構図で撮影しても、完璧に美しい写真が撮れます。
さて、シェイフ・ロトゥフォッラーは、かつて王室専用のモスクだったため、アザーンを行うためのメナーレ(尖塔)や、ウズー(祈りの前の浄め)を行うための中庭がありません。この辺りのお話は、以前「シーラーズの旅」でも記しましたので、そちらをご参照くださいね。
さてさて、私が愛する夜の風景シリーズが始まります。
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そして、私と言えば月!実際には月を写真に収めるのって、普通のカメラレンズでは不可能に近いのでしょうが、いつも懲りずにトライしています。今回も冒頭の写真で真昼の月を、そして夜になってまたまたマスジェデ・エマームの背後に昇る月を撮影。
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夜のマスジェデ・エマーム風景第二弾。
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夜のマスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー。

マスジェデ・エマーム、マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー、オーケストラ・ルームが有名なアーリーガープー宮殿、歴史のある屋根付きバーザールが延々と続くゲイサリーイェに四方を囲まれたエマーム広場を、別名『ナグシェ・ジャハーン(世界の絵図)』とも呼びますが、ここでは夜になっても(いや、既にたまらなく日中は暑くなっていたのでむしろ夜になってか?)人々がひっきりなしに広場に集まり、軽食やお茶を広げ、例によって『夜ピク』(ピクニック:Mちゃん命名)を始めました。イラン人の夜更かしは半端じゃないですが、日が落ちると夏場でも比較的涼しくなるイランでは、これからの季節、『夜ピク』で、ますます夜更かしになって行くんだろうなあ。
ところで、先ほど述べた「ナグシェ・ジャハーン」について。
「ナグシェ・ジャハーン」と呼ばれるエマーム広場は、宗教を象徴する施設(マスジェデ・エマーム)、科学を象徴する施設(アーリーガープー宮殿のオーケストラルーム音響)、経済を象徴する施設(ゲイサリーイェ)、王制を象徴する施設(マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー)という、4つの機能が広場を取り囲んでいます。あたかも、人々の現世でのあらゆる行いがひとつの広場に凝縮されているかのよう。つまり世界の全てのものが、この広場に存在する、という意味合いで「世界の絵図」と呼ばれいているわけです。「世界の全て」であったり「世界の半分」であったり、エスファハーンが担わされた任務は大きいですね(笑)。ちなみに、「ナグシェ・ジャハーン」については、私はうろ覚えな部分もあるので、その意味も含め、間違っている部分があったら、(ご存知の方)ぜひご指摘くださいね!

ちなみに、全ての写真はクリックすると拡大版ウインドウが現れますので、大きな写真でお楽しみください。
(これ、今までの殆ど全ての記事でも同様です)



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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
ま〜素敵な夜シリーズ!絵葉書になさったら!
しかし、ellyさんおっしゃるように、撮っているところが、私たちかぶりすぎ…私の写真はお蔵入りですわ。
ああ、殿方の写真を見て吹いてしまったわ。
一本眉を思い出しちゃった!
…ハージュー橋にチャーイハーネ?
なかったのは何で?時間差なのに(涙)

2008/07/11 22:58
やっぱり写真かぶってますか!
お蔵入りなんておっしゃらず、どうぞ「イスブル」「地球散歩」で使ってくださいまし。
ごめんなさい!本文の書き方が悪かったのですが、ハージュー橋の下をチェックしたのは1月が最後です。5月の旅ではスィー・オ・セしかチェックしてません。
「一本眉」の話byMちゃんは、なかなか楽しかったですね。
elly→碧さん
2008/07/12 14:53
う〜ん、美しい!!美しすぎる〜〜!
この辺りの装飾は本当に素晴らしいですね。
見ているだけで、なぜかタイムトリップできそうな…
地球上に、こんなに美しい建物があるなんて、
それだけで感動です。
見せてくださって、本当にありがとうなのです☆
yuu
2008/07/12 21:24
美しいですよね。イランのモスクは世界一だと思っています(笑)。いや、この国の造詣美術の繊細さにはただただ舌を巻くばかり・・・なのです。
elly→yuuさん
2008/07/14 04:12
エスファハーンは3回も行ったんですもんね!(笑)写真で見る限り、とっても素敵なところに見えます。
ellyさんといえば「月」、なぜか納得(*^m^*)
夜の写真難しいのにとてもよく撮れてますね!思わず詩を詠みたくなる?!
wacky
2008/07/16 22:36
そうなの。3回も行くと(しかも5ヶ月間のうちに)、さすがに少し飽きが。。。
エスファハーンのモスクの美しさは世界でも屈指かと。いつかwackyちゃんもリベンジ?できるといいよね!
月はねえ。。。本当に好きで。だいたいどこへ旅しても月の満ち欠けはチェックします。特にサハラに行くときは、とても重要です。
elly→wackyちゃん
2008/07/21 21:17
美しいですね〜

太陽の光、月の光、影までも計算しつくされてそう。

>回も行くと(しかも5ヶ月間のうちに)、さすがに少し飽きが

うふふ。美人は飽きるっていいますものね。
私も先日石垣島と離島を旅したら、
美しいビーチに目が慣れてしまいました。
リンダ
2008/07/24 22:45
一時帰国に伴い、ゆっくりネット巡回する時間もありませんでした。大幅にコメント返しが遅れたこと、どうぞお許しくださいね。
イランのモスクに限らず、イスラーム建築&庭園は、太陽・月の光が精密に計算されつくしているように思います。特に月光下のモスクの光景は、涙が出るほどの完璧な美です。
石垣(&島々)の旅をされていたのですね!
モスクがどうのこうのと書きましたが、自然の美に勝る美はないと思います。私は常に海に飢えているのですが、美しいビーチが見たい!
elly→リンダさん
2008/09/03 20:18

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