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zoom RSS 「GOLDEN WORLD WEEK」も終わり・・・

<<   作成日時 : 2007/05/09 01:18   >>

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画像GW、あっという間に終わりましたね〜。
GW期間中、東京ではワールド音楽系のイベントが続きましたが、私はその殆どを逃してしまいました(涙)。いろんな方のレポを読ませて頂いてると、「あれもこれも行っときゃ良かった。」と後悔しまくりです・・・。が、まあ仕方ない。

でもでも、UPLINKで開催中の「GOLDEN WORLD WEEK 2007」のうち、ふたつのトーク・イベントに参加でき、また、グッと心に迫る写真たちにも出逢え、どれもとても充実したものだったので、まあいいのだ!

時間の都合上、詳しくは書きませんが、ひとつは「ジプシーを追いかけてーギリシャ編」。お馴染み関口義人さんが世界のジプシーを、音楽を中心に紹介するシリーズのギリシャ編で、充実した映像・音楽の報告会でした。ギリシャに関しては、ジプシー・ミュージックに限らず、音楽自体が殆ど未知の領域だったこともあり、音のひとつひとつがとても新鮮でした。
訪ねられた先はアテネ近郊のジプシー(ギリシャでは自称は「ロム」だそう)の集落と、ギリシャ第二の都市テッサロニキ近郊の集落。今回の報告で驚きだったことのひとつが、ひとつの街におけるジプシーの人口比率の高さ。街によっては全人口の80%以上を占める街もあるということで、この比率は、他のヨーロッパ諸国では見られないとのことでした。ギリシャと言えば、ロマの他称(蔑称)でもあるツィガンやツィガーヌと言った呼称の元となった「アツィンガノス」という言葉の発祥の地だという事実もあり、ジプシーに対する差別は、他のヨーロッパ諸国よりも強いというイメージを漠然と抱いていました。ゆえに、人口比率の上ではジプシーは圧倒的に数が少ないものと思っていました。それに、今回報告された集落に住む人々は、比較的良い暮らしをしている人々が多く(衣類の輸入業に携わる人が多いそう。お店も立派でした。)、これも私の中のイメージを少し変える結果に繋がりました。今回は定住化したジプシーのみのご報告だったので、そのことも関係してはいるのでしょうけれど・・・。

またジプシーに限らず、広く移民問題(パキスタン・パンジャーブ地方からの移民がとても多い)や、オスマン帝国を始めとした大国支配を通してギリシャが置かれてきた民族性の否定とも言える歴史にまで言及されていたことがとても印象に残っています。この辺りの事実は、ギリシャの音楽を語る上でもとても重要な事実ですしね。

音楽のご紹介は、ライヴ映像やミュージシャンの自宅兼スタジオのような場所でのインタヴュー映像なども絡め、注目すべきミュージシャンたちの肖像が、くっきりと浮かび上がる作りになっていました。
音全体を通して圧倒的に強いのが、当然のようにオスマントルコからの影響。そして、勿論地理的な面や、歴史的な面でアラブ音楽の影響も強く、私にはわりと耳馴染みがあるメロディーでした。いや、むしろコテコテのトルコ・アラブ音楽より、私はこちらの方が好きかなあと・・・。
そして、ギリシャと言って忘れてはならないのが、レンベーティカとライカ。オスマントルコの崩壊によりトルコからギリシャに帰還したギリシャ人が生んだ、港町のならずものの音楽レンベーティカと、それがポピュラー化したライカ。これらの音楽の魅力はなんと言っても、その嘆き節とも言える歌詞にあるとのことでした。

また関口さんは、ハリス・アレクシウやヨルゴス・ダラーラスのような、頂点を極めた一握りのミュージシャンと、レストランや酒場・路上で演奏する市井のミュージシャンという二極的な構造がギリシャの音楽界の特徴だと今回ギリシャを訪れるまで感じられていたとのこと。が、実際にはその中間に位置するところに、たくさん魅力的なミュージシャンが存在するという嬉しい発見があったとのことでした。

魅力的な音楽にメモも取らず惚けたように聴いていたので、この場を借りてご紹介できるミュージシャンが少ないのが恐縮ですが、中でも親子で活躍するコスタス・ハジスとアレクサンドロス・ハジスが、私のツボでした(主に歌を歌う)。息子さんのアレクサンドロス氏は、スペインの音楽界でも活躍しているということで、その音楽性にはスペイン的なものが多く聴き取れました。
歌もの以外にも、関口さんが以前から注目されているコスタス・パヴリディスのネイの演奏の映像もグッと心に迫るものがありました。また映像ではありませんが、ヨルゴス・マンガス(こちらもかなり以前から注目されていて、大プッシュでした)の流れるようなクラリネット・プレイをCDでお聴かせ頂いたり。ギリシャも注目しなきゃ損だわ!と、強く啓蒙された夜でした。ギリシャ、大注目です。ギリシャの音楽は、日本でも手に入るCDが、どれもやたらと高いのが難点だけど。

ふたつめのトークイベントは、お知らせ記事も書いていた、サラーム海上さんのエキゾ夢紀行〜スーフィー音楽編。和光大学の村山先生を迎え、豊富な映像資料を用いた楽しいトークがありました(「村山節」、最高!)
こちらはもう、「こんなすごい映像をたったこれっきしの入場料で見せてもらってもいいの〜!?」の連続。おもしろくエキサイティングな映像満載でした。いや〜、カッワーリーって良い意味で疲れますね;間にメヴラーナの舞の静謐な映像を挟んだから良かったものの、カッワーリーだけで3時間ぶっ続けだったら、終了後立ち上がれなかったかも。

前の記事でも書いた、ラホールのダーター・ガンジ・バフシュ廟でのウルス(前の記事を参考にしてくださいね)からは、再びファイズ・アリー・ファイズが登場。今回は、前回の講義形式とは違ってUPLINKでのイベントなので、大画面・大音量で、ファイズの絶唱や観客のノリ、何よりお札ばら撒きオジサン軍団の、なんともバラバラでユーモラスな映像を堪能でき幸せでした(一画面で観るには情報量が多すぎる!)。お捻り(お札ばら撒き)の映像が始まった瞬間、会場のUPLINKは笑いの渦で騒然となりましたよ。何度見ても素晴らしい映像です。ぜひ手元にほしいくらい。
そして、研究者ならではのご紹介というか、村山先生が歌詞の聞きどころを先にご指摘くださったので、歌詞にも注目してカッワーリーを堪能できた点も良かったです。
電飾ギラギラの聖者廟も見ものだった!(サラームさんが「ディズニー・ランドみたい」とおっしゃってた)

また、アービダ・パルヴィーンの、カーフィーを歌う音楽会の映像もとても印象に残っていて、男性歌手顔負けのその堂々とした歌いっぷり(恰幅の良さは勿論のこと)、興奮のあまりライヴ一曲目から立ち上がり踊りまくる観客を、アービダ自ら手振りで制止させ座らせようとするものの、「ちっとも言うことを聞かない(by村山先生)」観客たち。注意された矢先からすぐに立ち上がって横揺れ・たて揺れ・絶叫の嵐。アービダの歌唱に続き、コール&レスポンス!なんだ?このノリは!とても宗教歌を歌っている音楽会だとは思えない!
いや〜、パキスタン人の自由奔放さ(笑)に、終始圧倒されまくりでした。

そして、これまた珍しい、またとお目にかかれないであろう映像だと思いますが、バローチスターン地方はマクラーンの浜辺で催された儀式に村山先生が参加され、その際撮られた映像が披露されました。同じスーフィズムとは言え、カッワーリーによるトランスを修道儀礼の中心とするチシュティー教団に対し、こちらは独特の、苦行とも言えるちょっと残酷な儀礼を取り入れたリファーイー教団のもの。トランスに入った人が自らの喉や腹にナイフを突き立てたり、火柱が上がる鎖に手のひらを押し当てたり・・・。幸い?生々しく痛々しいシーンは映像には収められていませんでしたが(いや、ちょっと見てみたかった気もするし)、その儀礼の特異さには興味深い要素がたくさんありました。会場にいらしたみなさんおっしゃってたことですが、パキスタン人とは思えないようなアフリカ的風貌の人々も多く、また、儀礼に使われるフレーム・ドラムの刻むリズム(サラームさんがおっしゃるには、他の南アジア地域ではこういった類のフレームドラムが使われることはないとのことでした)といい、リズムに合わせて集団で行われる(ちょっと噴出しそうな)上半身のズンドコな揺れといい、どこまでもアフリカ的(その動きはグナワも思わせました!)。海に面したこの地方ゆえの、アフリカ文化(海を渡って伝わったであろう)との盛んな交流の跡も窺わせる、興味尽きない映像でした。いや〜、しかし、禍々しくもどこかユーモラスなこの映像(観た方にしか伝わらない言い方ですみません!!)、私の夢に、しばらくの間、現れそうだわ・・・。

一方のサラームさんからは、同じカッワーリーの映像でも、カッワーリーの里、インド側のパンジャーブ地方はアジュメールの廟でのカッワーリーの様子を見せていただき、お陰でパキスタンとの違いが分かりやすかったし、イスタンブールはスィルケジ駅で行われるメヴラーナの舞とマラケシュの邸宅でのリーラーの儀式の映像は、数回拝見したことがあったものの、厳選された映像であるがゆえに、何度拝見しても凄みとオーラに溢れた映像なのでした・・・。

ご活躍の場は全然違うお二人ですが、スーフィー音楽にはまったきっかけ(映画『「注目すべき人々との出会い』)を共有されていたり、何かと共通点が多いということで、トークの息もピッタリ。またこの組み合わせでぜひお願い!って感じです。

そしてそして・・・音楽イベントはGW期間中に残念ながら終わってしまいましたが、写真家杉本文さんの写真展「トランシルバニア ─ ジプシーたちの唄」が、14日(月)までUPLINKギャラリーにて開催中です。画像
この写真展は、杉本さんが去年の春から夏にかけて滞在された、ハンガリーとルーマニアのトランシルヴァニア地方で撮影されたもの。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの住むクレジャニ村にも滞在されています。私は既に観てきましたが、淡い光に彩られた広い空間と、その空間に翻る鮮やかな赤(ひなげしと女たちの衣装の)が、そして子供達の笑顔がとても印象的でした。展示されている写真全体を通して優しいペール・トーンに彩られていますが、その「秘密」は、光にあるようです。(ご興味がある方は、ぜひ会場で杉本さんに直接尋ねてみて下さい)私は写真に関して疎いもので、ろくな表現が出来ませんが、一枚一枚丁寧に切り取られた、人々や生活風景の写真の背景からは、音楽とダンスと、初夏と晩夏の「切なさ」が滲み出てくるようでしたよ(すみません、私自身が夏という季節に特別な感慨を頂いているので、こんな表現をしています)!そして、彼女のジプシーとジプシー音楽に対する愛情がたくさん感じられて、胸が熱くなりました。あ、ちなみに写真展は無料ですよ!
(掲載写真は会場にて販売されていたハガキと、写真展の案内ハガキを撮影したものです。)

以下、UPLINKのサイトより

■杉本文写真展『トランシルバニア ─ ジプシーたちの唄』

期間:5/1(火)〜5/14(月)12:00〜22:00

2006年の5月から9月までトランシルバニアで撮影されたジプシーたちの肖像を中心に、写真家・杉本文の個展を、イベント会場FACTORY併設のギャラリーにて開催します。


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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
これまた濃密な時間を過ごされたようで、九州の片田舎に住む者としては非常に羨ましい限りです。

ギリシャ音楽、興味はありますが、やはり値段が高過ぎるのが困りもの。ギリシャのブツ1枚で、タイのブツが3枚は買えますからねえ・・・。同じ値段払うなら、高いギリシャ1枚より安いタイ3枚!などと考えているからギリシャのCDが10年前からほとんど増えないんだ、きっと。

スーフィー音楽、興味津々です。早く聞きたいメタル・カッワーリー。一体いつ手に入るのかわかりませんが。

以上、ジプシーの音楽についてはほとんど知識の無い、ころんでございました。
ころん
2007/05/09 16:54
いつもながらの濃密レポ、いろいろと衝撃的な内容がありました…!!今回のエキゾ夢紀行だけはいこうと意気込んでいたのに前日から風邪気味でダウンしていたのでした。。。だめだなぁ。しかしレポによるとあれで風邪を押して行っていたらそれこそ倒れていたかもしれませんね!くわばらくわばら!(!?)
えひ山
2007/05/09 17:13
ギリシャの「ブツ」一枚の値段でタイの「ブツ」3枚買えますか!それはタイのブツに走るでしょう(笑)。10年前までのギリシャ音楽のコレクション、いったいどんなものがあるのかさえ想像がつきませんが(私はハリス・アレクシウのものを数枚と、ブズーキのソロのものをいくつか購入しただけで止まっています。それもやはり10年以上前。)、最近のギリシャのCDジャケットを見ていると、その麗しいヴィジュアルのみで、ついふら〜っと買ってしまいそうになる魅力がありますね。値段を見てハッと我に返りますが。
例のメタル・カッワーリーのアルバムですが、kisaraさん情報では、日本版 のiTunes Store にあるとのことですよ。(kisaraさん、いつも情報ありがとうございます!)
elly→ころんさん
2007/05/12 00:25
お風邪の具合は如何ですか?
今年の春は風邪を引かれているかたが多いですね。既にお元気になられていることを祈ります。それにしてもこの夜、えひ山さんもいらっしゃる予定だったんですね〜。またの機会にどちらかでお目にかかれると嬉しいです。(次はきっと夏のいずれかのライヴ辺りですね。)
おっしゃるとおりこの日のカッワーリーはこれまた濃かったので、体力がないときつかったかもしれません。風邪でぶっ倒れてても、周りの人はトランスに入った人だと見做していたかもしれませんが;
elly→えひ山さん
2007/05/12 00:30
完全復活したようですね!(^^)
GW色々行けず残念と言いつつもこのレポート!楽しまれたみたいで何よりです〜(*^o^*)
東京はイベントがたくさんあるのがいいですよね。私は長野に引越して、それが一番残念です。
wacky
2007/05/14 13:52
wackyさんの方こそ、引越し期間に病気が重なってしまい大変でしたね。wackyさんが長野に行ってしまい寂しいです〜。充実した長野レポを読ませてもらい、長野も楽しそうだなと思ったけどイベントに関してはやっぱり東京ですよね・・・
elly→wackyさん
2007/05/16 22:37
Thanks for finally writing about >uGOLDEN WORLD
WEEKvI__EEE ETHNOMANIA/EFu_u_O
<Loved it!
Tayla
URL
2017/05/13 15:13
Thanks for finally writing about >uGOLDEN WORLD WEEKvI__EEE
ETHNOMANIA/EFu_u_O <Liked it!
Merri
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2017/06/27 06:43
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