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zoom RSS JASRAC講座 ミュージック・ジャンクション 「ポピュラー音楽から見たワールドミュージック」

<<   作成日時 : 2006/02/27 19:04   >>

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先週になりますが、JASRAC主催の音楽講座(at けやきホール古賀政男記念館が入っているところです)に行って来ました。「ポピュラー音楽から見たワールドミュージック」と題されて行われた講座は全部で3回。バート・バカラックの音楽の変遷とワールドミュージックとの関わりを扱った第1回、カリブ・アフリカ諸国の英語圏の音楽を扱った第2回に続く今回の講座は、音楽ライター・サラーム海上さんを講師に招き、「躍動する中近東音楽シーン」というテーマで行われました。この一連のシリーズは、特殊なものと思われがちなワールドミュージックも、実はそれらが生まれた国ではポピュラー音楽であるという視点、あるいは欧米のポピュラー音楽と相互の関わりを持つという視点から、同時代の刺激的なポピュラー音楽として捉え直そうという趣旨のもの。
私は知らなかったのですが、このJASRACの文化事業、JASRACの会員(作詞家・作曲家・音楽出版社)の会費により、公益的な事業として行われているのだそうで・・・。こんなステキな催しを無料でやっていただけるなんて有難いのひと言ですよ。
講演は、Mビデオ(DVD)を見ながらのサラームさんの解説、立岩潤三さんダルブッカ演奏&おふたりのベリーダンサーによるショー&サラームさんのエキゾ音楽DJという超豪華なステージ(こういう内容のものを200〜300人規模のホールのステージでやるのは不思議〜な感じがしました。当たり前だけど、観客みんな座ってるし。)、最後は音楽評論家の北中正和さんも交えてのトークセッションという内容でした。

私は、主にDVDを見ながらの講座内容について書きたいと思ってます。

音楽ファンの方ならごっちゃになることは多分ないと思うのですが、民族音楽といわゆるワールドミュージックって同じものとして扱われていませんか?気のせいかしら?
文字通り受け止めれば、その違いは明らかだと思いますが、ワールドミュージックって、民族音楽という、一民族中で限定されていた音楽が、世界に飛び出し、他の地域の音楽とミックスし、ハイブリッド化したたもののことですよね?(定義がおかしかったらご指摘ください)
中東地域の場合、遠い過去から異民族との接触が多かったゆえ、どこからがミックスしたものだとは、はっきり言えないな〜なんて、バカなことを考えたりもしてたんですが、現在のグローバル化した社会の中で、言葉は悪いですがグローバル・レベル(グローバルという言葉あまり好きではありませんが)に匹敵した?いわゆるワールドミュージックとしての中東音楽が生まれていったのはいつ頃からなのか?ということを、サラームさんの講義では明確に扱って頂き、目から鱗でした。サラームさんは80年代から既に中東地域の音楽に関心を持たれ、旅行の度に現地でカセット・テープを買い込み、持ち帰って聴かれていたということ。でも、その当時は欧米の音楽に比べて、遅れているというか(表現が微妙に違ったらスミマセン)、要するにダサイものにどうしても映っていたということです。そんな中東音楽が、ワールドミュージック化していったのは80年代後半〜90年代にかけてとのこと。それには3つの要因があったということで、これまた明快で、うならされた内容でしたので、簡単に列挙させて頂きます。
@エジプトの歌手Amr Diab(写真)が、حبيبي(habibi)という曲中で、ジプシーキングスのルンバ・フラメンコを取り入れ、ラテンパーカッションを前面に打ち出したスタイルを確立したこと。このスタイルが以後、中東の音楽スタイルとなった。
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Aアルジェリアの民衆歌謡、ライが、フランスにてポップス化したこと。代表的な歌手として、Rachid TahaKhaled(写真)が挙げられる。
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B90年代に入り、UKでエスニックを取り入れたポップスが流行ったこと。
その先駆者として、Natacha Atlas(写真)が挙げられる。
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う〜ん、なるほど。
それって、中東や北アフリカからのヨーロッパ移民2世が、西洋の音楽の洗礼を受け、そして自らのルーツである、いわゆる民族音楽の伝統をも親の世代から授かり、、とってもフレキシブルでワールドワイドな音楽観を持っていった彼ら自身の成長過程にちょうど匹敵する年代なのかも!そして、その感性を自らのルーツである国にフィード・バックしてるってことですね。

個人的なことで申し訳ないですが、私がエスノ音楽を聴くようになったのは、90年代始め((正確には92,3年)。既に私が好きな中東地域のポップスは、ワールドミュージック化し、「おされ〜」なものになった後だったのでしょう(前にも書きましたがイランは例外的です)。そうなんです、古典をあまり聴かない私は、要するにホンモノの民族音楽ってあまり聴いてないな〜と思ったのです。(古典と民族音楽も勿論別モノですので、この表現はいささかヘンですが)

そして、中東音楽の進化は留まることなく続いている模様。
先ほど挙げたAmr Diab氏、ルンバフラメンコの次は02年頃からR&Bに挑戦中とのことで。しっかり世界の傾向を見据えてますね〜。
その結果彼の音楽がどうなったかというと、パーカッションを強調していた以前のラテンテイストから、ダルブッカやジル(ベリーダンスでよく使うカスタネット)が取り除かれ、さらに、アラブの泣きのメロディーが復活したという説明がありました。確かに、アラブのメロディーは日本の演歌にも通ずるけど、R&Bの泣きのメロディにも共通点はある!
おもしろかったのは、このDiab氏のミュージックDVD。96年のラテンテイストの時のものより、02年のR&B調のものの方が数倍若返ってる!ついでにまわりにいるお姉ちゃんたちもこわくない!(90年代のお姉さま方は、お化粧がもろ中東好みで、目力あり過ぎ;)
他にもレバノン出身のREG Projectなど、テクノやハウスとミックスした音源(というかDVD)や、レバノンの浜崎あゆみ(でも見かけは八代亜紀←サラームさん言)こと、Nancy Ajram(写真)などのMーDVDも流していただき、中東発、あるいはヨーロッパ発の現在の中東音楽シーンがか〜なり飲み込めました。
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ただ、私は90年代でとまってるな〜。
ワールドミュージックに限らず、洋楽・邦楽全般にわたり、80年代や90年代のものの方がどうも好きみたいで・・・。
特に、ハウスやテクノやビートものはあまりそそられない。。。
REG Projectよりも、むしろ講演が始まる前に流れていた大御所の歌姫ウンム・クルスームの方が性に合うし、Natacha AtlasやRachid Tahaは好きだから聴いていたけど、今回紹介された人たちは、有名どころが揃っていたにも関わらず、殆ど聴いていなかった。

あと、時間の都合で残念ながら聴けなかったトルコの音楽、こちらは要注目!とのことです。
トルコ歌謡は今までも中東音楽シーンを盛り上げ続けてきたと思いますが、今、さらに大注目なのだそうです。トルコ音楽を分類すると@アラベスク(アラブ歌謡に似た歌謡モノ)Aサナート(古典音楽)Bハルク(民謡)となるそうですが、ハルクに関しては、シルクロード沿いに残る長唄に近く、アジアのテイストが強いそうです。それに、トルコは日本と同じでアングラ(UnderGround)嗜好が強い面があり、ポピュラーミュージックと共にアングラの世界からも、注目すべき音源がそれこそ次々に出てきているところなのだそう。
いや〜、イスタンブールに数年前に行ったのに、当時はそういった傾向に全く気がついてなくて残念!のひと言です。ついでに言うと、中東ではありませんが、同じく注目すべき音楽シーンとしてバルセロナが挙げられると思いますが、バルセロナ滞在中も、ぼ〜っとしてました(クスン;)。ダメダメですね。

それから、モロッコのエッサウィラグナワ・フェスの映像もありましたが、サラームさんがおっしゃるには、グナワは、今後レゲエHip Hopと結びつき、ワールドミュージックとして発展していく可能性の高い音楽だそうです。
そうか、グナワか。。。エッサウィラ自体も随分前から気になりつつ、まだ行ってないし、今後も行けそうにないな〜。
何事にも鋭敏なアンテナを張っていないと、おいしいものを次々に逃してしまいますね。

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長くなりますので、講義以外の内容は書きませんが、ダルブッカの演奏にしろ、DVDにしろ、サラームさん監修のيالله ياللهヤッラーヤッラー(写真)シリーズにも収録されていた音源のM−DVD(子どもたちの声が印象的な『Free Baby』の映像はあんなかわいいヤツだったんですね!)にしろ、音響の良いホールで、大画面で、エキゾでキャッチーな音楽を堪能できたのが何よりラッキーでした。立岩さんのダルブッカの演奏もスリリングだったし、ダンサーの方々もチャーミングかつエロカワイイ&カッコイイでした。音楽ができる人ってやっぱりかっこいい!

サラームさん、次はミュージックジャンクション・ボリウッド編が現実になることを楽しみにしております!

*記事中使用したCDジャケットは、講座で使われてた音源のものではありません。Amazonで画像があったものをそれぞれ使用させて頂いてます。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うんむ,興味深いけど,ついていけない。
アラブ音楽も当然,
ミクスチャー化が進むのでありますね。
それにしても,興味深い企画が,
東京ではありますね。うらやまし〜。
東京に転勤しようかなあ。。。
NAKA
2006/02/27 19:33
私も全然ついていけてないです。アラブだけをピックアップして聴いていっても、次々に新しいものが出てくるから、フォローしていくのは難しいですね。ましてや、音楽を仕事にしているわけではない私たちには。だからこそ、こういった場に行く意義があるな〜と思いました。あらかじめ収集された情報の中から自分に合うものをピックアップしていけるから。
自分の好みがはっきりするというか客観的に見れて良かったです。好きなものを楽しめればそれでいい、と改めて思いました。
NAKAさん、東京勤務もあり、なんですか?そうなったら楽しいですね〜。。。って、お会いできるわけではありませんが。
あと、前に頂いたコメントへのお返事になりますが、そうそう比較神話学がやりたかったのですよ〜。
elly→NAKAさん
2006/02/27 23:10
ニアミスでしたね〜。あの会場にellyさんもいらっしゃったというのが当然のような、不思議なような…。
僕もとても面白く聴かせて(見せて)もらい、どういうわけか元気になって帰路につきました。
そして開演前のウンム・クルスームの映像が何故か脳裡に焼き付いてしまい、すぐさまエル・スールさんへオーダーしてしまったほどです。(残念ながら品切れでしたが…)
エッサウィラ、僕も行ってみたくなりました。
サラームさんのコメント中にも今後のグナワのもつ可能性への期待が述べられていて、ガゼン興味が湧いてきました!
観たいぞ、グナワ・フェス。
(トランスする人々を観察してみたくもあります)
questao
URL
2006/02/28 01:15
questaoさんとはどこかで出会っていてもおかしくないなと思います〜。不思議なものですね。
ウンム・クルスームはアラブ歌謡を聴く上では外せない人ですよね。ド迫力の映像とすばらしい歌唱力でしたね。早速注文!questaoさんは熱心だなあ。
エッサウィラは、芸術家がたくさん集まる大西洋沿いの風光明媚な街。モロッコ人も旅人に必ず奨める街です。普段は何があるというわけでもないけれど、一生のうち一度は行ってみたいな〜。
ところで、グナワって、CDで聴いてもあまり入り込めないですよね。やっぱ生で体験してみたい。トランス状態も。でも、私の場合トランスに入る前に頭振りすぎて気持ち悪くなって倒れてそう;
elly→questaoさん
2006/02/28 17:24

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