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zoom RSS ここ2ヶ月ほどの音楽活動(?)メモ

<<   作成日時 : 2008/01/12 22:04   >>

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ヤズドへの旅行記にもまだ取り掛かっていませんが、それよりもずっと延ばし延ばしにしていた音楽ネタを先に持ってきます。とは言っても、タイトルに示したとおり、今回はあくまでも「メモ」です。しかも、ここ2ヶ月間ほどの間に自分が何をやっていたか忘れないための、自分のためのメモ。今後、時間が許す限り補足していくかもしれませんが、今日のところはメモ(しつこい!)でご了承ください。

画像さてさて、過去2ヶ月間ほどの間の私の音楽体験の中で最も印象深かった、セタール工房見学のことから、まずはメモって行きます。

12月初旬、慶九さん、りーずさん、私、3人の共通のセタールの先生に連れられて訪れた有名セタール工房にて。ここはセタールのみならず、タール、さらにはまだ名前もない新種の楽器をも作り出している工房だったのですが、工房内はいたってシンプルな作りで、木を削る機械数種と、楽器を固定するための簡素な机が置かれているのみの職人肌の空間が展開されていました。とても人の良さそうなこの工房の主N氏からひととおりセタールが形作られて行くまでの過程を見せていただき、説明を受けました。
印象的だったのは、セタールの材料が、ボディ=桑の木、棹=くるみの木という木材で作られているのに対し、一方タールは、ボディの皮張りの部分=羊の胎児(!)、棹の部分=らくだの骨、糸巻きの部分=野生のヤギの角、といった具合に、楽器の殆どの部分に動物の身体が用いられていること。セタールの先生が「タールはいろんな動物の犠牲の上に出来上がってるのね〜」とおっしゃってました。実際、タールとセタールの音を聴き比べてみると、タールの音の方が圧倒的に大きいわけですが、これはボディの大きさだけが原因ではなさそうですね。画像

楽器ひとつを作るのに、どれくらいの時間を要するのかというありきたりの質問をしたところ、具体的な日数はここには書かないでおきますが、かなりゆっくりペースだと感じました。
もちろん、楽器の質や注文主の要望にも寄るとのことですが。
N氏の丁寧で誠実な仕事ぶりが伺えて、好感が持てました。
楽器工房を訪れるのはずっと私の憧れでした。実に職人気質な空気を、N氏からも空間からも感じられ、とても居心地の良い時間でした。マイ・セタール、大切に扱わねば・・・。

それから、12月にはやはり慶九さん、りーずさんのお二人と2本のコンサートにも行ったのでした。
1本は、20年ぶり(?)だったかのイラン凱旋コンサートを行ったMajid Derakhshani氏とKhorshidグループのコンサート。
総勢30名(私のメモによる)によるイランの古典楽器博覧会のようなコンサート。
この日は会場の音響も素晴らしかったのだけど(革命前に王が作ったオペラハウスのような会場)、音響的なことは抜きにしても、素晴らしいアンサンブルで大満足の夜となりました。
第2部はAlizadeh氏の曲を演奏ということで、会場にはAlizadeh氏の姿も。
私たち、Alizadehさんにヒットする率、高すぎ?です。
この夜は、男性の歌い手と共に女性の歌い手もいらしたのですが(fariba davdi)、女性の独唱が禁じられているイランでは例外的とも思えるほど、彼女の声が際立っていたのが印象的でした。主唱であるはずの男性の声の方がむしろ副唱に聴こえるほどだったのです。
帰りのタクシーの中で慶九さんと、「イランも変わって来たのかもね〜」なんて話しながら帰りました。
ご興味がある方のために、この夜の曲目をパンフレットを参考に以下に記しておきます。
<一部>
1.moqaddame
2.naqme
3.chahar mezrab
4.tasnif choun jan(モウラーナーの詩)
5.kereshme
6.khorush
7.tasnif-e-jan-e-ma(モウラーナーの詩)
8.tasnif sahargah(ハーフェズの詩)
*曲Majid derakhshani
<二部>
1.savaran-e- dasht-e-omid
2.hesar chahargah
*曲Hossein Alizadeh

2本目は、Parviz Meshkateyan氏率いるArefグループの演奏。
こちらも、例の音の良くないホールでの演奏であったにも関わらず素晴らしい演奏、そしてHamid reza nourbakhsh氏の力強いアーヴァーズを堪能できました。Arefグループは、私のメモによると、Meshkateyan氏のサントゥールを始め、サントゥール(2)、トンバク、ゲイチャク(2)、キャマーンチェ(2)、ネイ、セタール、タール(3)、ラバーブ、ダフ、Nourbakhsh氏の歌というメンバーだったかと思います。ダフの人は途中、ズールハーネ(イランの古式体操)で使われる大型の太鼓(zarb-e-zurkhane)に握り替えていました。
こちらのコンサート、パンフが手に入らなかったので曲の詳細は今となっては更に分からなくなってしまいましたが、セタール奏者が演奏したDashtiがとても美しく、イラン音楽で「エキサイティング」って言葉は決してあってはならないのだろうけれど、「興奮」という言葉しか結局私には思いつかず・・・。この夜、最も印象に残ったセタールのソロでした。
また、アンコールの際、客席が総立ちになって口々にリクエスト曲をステージに向かって投げかけ、アンコールで演奏された(りーず氏によるところ)革命の歌を、会場一体になって歌っていたエンディングも圧巻でした。
イラン人はけっこう熱い!

それから、12月末から一週間ほどテヘランでFajr Music Festivalなるものが開催されました。
これは恒例の行事となっていて、確か今年で23回目の開催だと言っていました。今年は、穏健派のハタミ氏から政権交替した後、初めてポップスも許可されたらしく、全体で80組ものミュージシャンたちが出演したということだったので、音楽ファンとしては絶対に行くべきだったのですが、この時期、ひどい風邪を引いていたり、インフルエンザ流行中で人ごみへ行くのを恐れた私は今年は断念・・・・。来年にリベンジを賭けます!このFajr Festival、今後、FilmFes.も続くようです。

画像そして年末。
(人間的にも・音楽的にも)尊敬するセタール奏者であり、クルドの楽器タンブールの奏者でもある、りーず氏の演奏を聴く機会に恵まれました。
テヘラン大学の分校(?)技術学院で行われた、彼のお師匠によるクルド音楽のマカーム(旋法)についての講義の中で、2人のお弟子さんと一緒にタンブールを演奏されるというもの。
タンブールという楽器の歴史の古さ(確か2000年前にはすでに壁画にタンブールらしき楽器の絵が残っているとのお話でしたよ。間違っていたら、りーずさん、訂正お願い!)や、タンブールが主に制作されいてる場所、マカームの種類の説明がお師匠により短くなされた後、いよいよりーず氏たちによる演奏。この日は7つのクルドのマカームが演奏されました。
(りーず氏、緊張の様子見られず、堂々とした演奏!)
各種マカームの説明があった後に、そのマカームを実際に演奏するという丁寧な講義だっただけに、演奏者のみならず音楽の理論を勉強したいと思っている人にとっても、大きく開かれた講義だったと思います。りーず氏とも話していたのですが、将来的に、日本でもこういう催しができると素晴らしいですよね。今までありそうでなかった音楽の紹介の仕方ではないでしょうか?

画像明けてお正月。我が家で行った「和風」新年会にて、慶九さんのお友達である天才弦楽器奏者Sくんによるセタール演奏を聴くことができました。
Sくんは、弦楽器は何でもござれ!なマルチ・プレイヤーらしいですが、専門はタール。
この日、「セタールの演奏は本当に久しぶりだから・・・」というご本人の前置きが入ったものの、いえいえ何をおっしゃる・・・あまりに完璧な演奏に思わず感涙でした!
りーず氏のタンブールとジョイントした即興演奏も見ものでした。
幸い我が家はなぜか無駄に音響が良いのです(笑)。
下手なコンサートを聴きに行くより、ずっとずっと贅沢な時間を堪能できたこと間違いなし!
日本から訪れていたmondo氏や、他の友人たちも、きっと満足して帰途に着かれたことでしょう・・・(だよね?)

と、ざっとこんな2ヶ月間でした。
余談ですが、先日ひょんなことからラジオ番組に出演するという事態に陥りました。全く何の前準備もなくスタジオに行ったら「はい、ここに座って」とマイクの前に座らされ、日本に関する一般情報の紹介(食・暮らし・音楽・映画・俳句の朗誦など)に加え、イランでの生活・好きな音楽・映画についてなどなど・・・喋らされました。
本当はこの日は、大物ミュージシャンに会わせてもらえるかもという甘い言葉に釣られてスタジオに向かったのです。が!そのミュージシャンには会えず、とんでもない大恥じだけ曝して帰るという結末に(だって、ペルシャ語まだそんなに喋れないんですもの)。
というわけで、某大物ミュージシャンへの「リベンジ」も、いつか必ず!と、心に誓ったのでした・・・。ええ、いつか必ず・・・

写真1:楽器工房のタール
写真2:同じくセタール
写真3:りーず氏たちによるタンブール・アンサンブル
写真4:Sくんによるセタール演奏







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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
工場見学とは良い経験をしましたね。興味深い。
素敵な出会いもたくさんで素敵。
特に最後の新年会、良かったですねぇ。!!
リンダ
URL
2008/01/13 13:14
とても濃い2ヶ月でしたね!でもまだ序の口?!
渡航4ヶ月少しでラジオ出演まで果たしてしまうとは、さすが〜\(⌒▽⌒)/
「女性の独唱禁止」に衝撃を受けました。女性は少しでも目立ってはいけないんですかねぇ。
wacky
2008/01/13 19:07
色々あって良いですね。タールの製作途中は初めて見ました。デスマスクみたいですw
私も8年ほど前にセタールにしようかタールにしようか迷いましたが、タールの余りの音の大きさに危惧を覚え、断念しました。日本の賃貸で弾くのは勇気が要ります。セタールは表が割れることはないですが、フレットのガットが段々切れていきますよね。メンテナンスをりーずさんに教わりたいです。
革命の歌というのは、Dastgah Shurでしょうか。故・五十嵐一さんの本に、革命は短調で訪れる、という記事があったのを思い出しました。
Homayun
URL
2008/01/13 22:45
いつもコメントをありがとう!それなのに、返事が遅れ勝ちで本当にごめんなさい。
そおうなんです!楽器工房見学を始め、今ある音楽環境はとっても恵まれていると思います。その大部分は、りーずさんと慶九さんのお陰。素敵な出逢いに感謝する日々です。セタールも頑張らなきゃ。
elly→リンダさん
2008/01/23 00:37
いや、ラジオ出演は本当に意図していなかったことで。もし準備が出来ていればもう少しましな話を提供できたかも。とんだ恥さらしでした。女性の独唱は、目立つからというよりも、声そのものに問題があるようです。女性の声が誘惑的というか。私から見たら、男性の歌のバックコーラスとして裏声を使っている方がよほど色気があるような気がするのですが。解釈はいろいろですね〜。
elly→wackyさん
2008/01/23 00:40
タールの製作途中の姿、本当ですね!デスマスクだ!Homayunさんがセタールを始められたのは8年前だったのですね。
私のセタールも、すでにイランの気候下でさえ、ガットが怪しいです。切れまではしませんが、段々緩んできて不器用な私では自分で治せそうにありません。(りーずさんにヘルプを求めます!)
「革命の歌」について。すみません、りーずさんに尋ねておきます(何でもりーずさん頼み)。五十嵐一先生の本とは、どの本でしょうか?まだ手に入るものでしたら教えて頂けますか?
elly→Homayunさん
2008/01/23 00:46
音楽の風土―革命は短調で訪れる (中公新書 (737))です。84年の本なので、手に入るのは中古のようですが、一応アマゾンにも出てました。
中東や西洋の音楽や詩歌などを縦横に亘り歩きながら、中東(主にイランとトルコ)の音楽の特質をあぶりだす、とても楽しい本でした。
五十嵐先生ということは、ellyさん、授業を受けられたことがあるのでしょうか。もしそうなら詳細にお聞きしたいです^^
セタールを手に入れたのは、トンバクの師匠のラリさんが出していた店、Safaviででした。ギャズもよく買い食いしたものですw
Homayun
2008/01/23 23:28
再び情報をありがとうございます。お恥ずかしながら、この本について全く知識がありませんでした。五十嵐先生の著作活動は本当に幅が広いんですね!
私は残念ながら、五十嵐先生のご存命の時代には、まだペルシャ語・イランの世界に(ギリギリ?)触れていない世代です。大学時代に、五十嵐先生にお会いしていたら、どのように視界が開けていただろうって、ちょっと想像してしまいますね。
elly→Homayunさん
2008/01/29 21:22

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