ETHNOMANIA

アクセスカウンタ

zoom RSS 反イスラエル・デイ

<<   作成日時 : 2007/10/09 22:34   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 4

画像時差がある話題が続きます。
先週の金曜日は、「反イスラエル・デイ(エルサレムの日)」でした。ラマザーンが明ける前の最後の金曜日が、毎年それに当たっているそうです。
この日、ヒズボッラーの支持者たちを中心に、保守的・急進的なムスリム達が反イスラエルを唱えながらテヘランの街中を行進します。今回、ちょっとしたきっかけがあり、私もその様子を見学に行くことになりました。

テヘラン大学構内では午後の礼拝の前に、アフマディネジャード大統領の講演が行われ、大学の正門前では、ヒズボッラーの代表的な人物によるデモ演説が行われていました。大学の構内には私は入ることができませんでしたが、街中を練り歩く人々の様子はつぶさに観察することができました。

「勝利はイスラームの手に」「エルサレムは我々のものだ」「アメリカに死を」「イスラエルに死を」といったスローガンを唱えるポスターを掲げ、エンゲラーブ(革命)通りをテヘラン大学に向かって行進する人々の流れに逆らいながら、私と連れの数名は歩いて行きました。
途中出逢うのは、アフマディネジャード大統領を熱狂的と言えるほどに支持する老年の女性、「ブッシュくたばれ!」と叫びながら足早に歩く黒服の男性。画像
実は、私はこの日この行事に行く予定があって出かけたわけではなかったので、(例によって)派手な色のルーサリー(へジャーブ)を身に着けていました。もちろん、こういった場に向かうと最初から分かっていれば、私だって地味な色のルーサリーを身に着けていたのですが。
この非常識な行為が、一部の参加者の怒りを買ってしまいました。
私の姿をカメラに収めようとしているメディアに向かって、「この女はルーサリーをしていない!こんな女を撮らないで私を撮りなさい!」云々。
私だって、その場の雰囲気に合わせるくらいの常識は持ち合わせているので、この時は本当に彼等に申し訳がないという気持ちでいっぱいになったものです。

かと思うと、イマーム・アリーの殉教日に、モスクの周りではしゃいでいた輩と同じノリの高校生や大学生の団体などともすれ違います。彼等も一様に反イスラエルや反アメリカを唱えるポスターを掲げてはいるものの、その表情には真剣さの欠片も見られず、むしろ笑顔と笑い声に満ちていました。そして、報道関係者や、私のように興味本位で見学に来ている者に、「Hello!How are you?」などと、英語で陽気に話しかけてきたり、執拗に彼等をカメラに収めるよう言ってくるのです。その様子は無邪気そのもの。
固い表情を崩さずにチャドルに身を包む女性や、黒シャツ姿の男性が大勢いる中、その様子はかなり異様な感じがしました。

朝早くから始まったこのデモ行進も、大統領の演説が行われる昼前辺りがピークになると聞いていました。人の波は徐々に大きなうねりとなって来てはいましたが、本来想像していたような熱狂・怒りの様相は、あまり感じられませんでした。
テレビでよく目にするような、アメリカやイスラエル国旗を燃やすシーンにも出くわしましたが、全てが儀式的というか、「毎年やっていることだから今年も」というような緩んだ意識がちらほらと垣間見られるような気さえしました。実際、連れの話によると、去年に比べて人出がぐっと減ったということ。パレスチナやレバノンの人たちのために設けられた募金箱もほぼ空に近い状況でした。

イランの国内の情勢を見ていると、こういう状況も仕方がないと思えてしまう・・・というのが、一般のイラン人の考えのようです。
内政が全く安定しておらず、物価の上昇(特に6月のガソリン配給制実施の後はその率もすさまじいそう。イランのインフレはとにかく激しい!)、中でも不動産価格の上昇は半端ではないらしく家賃は上がり続け、多くのイラン国民が生活の苦しさに喘いでいるということです。
一部の人が甘い蜜を吸い、残りの国民は貧困に喘ぐという構図は、何もイランだけに見られるものではないでしょうが、今は外政(アメリカとの関係・パレスチナ・レバノン問題など)に手を付けている場合ではないというのが、大勢の庶民の見解のようです。
そんな中、現在の政府は影響力・急進力を失いつつあるのでしょうか。その辺りのことは私にはまだよく分かりませんが、この日のデモ行進の様子を見ていると、そして一部の人の話を聞いていると、ほんの少しだけイランの現状が見えたような気がしたのでした。
画像

↑途中出逢った少年たち。左1人:「エルサレムは我々のものالقدس لنا 」とアラビア語で、右2人:「アメリカに死を مرگ بر آمریكا」とペルシャ語で書かれている。
画像

↑自らの赤ん坊にヒズボッラー・スタイルをさせ、デモ行進に参加。
画像

↑「反イスラエル・デイ」のポスターを掲げ練り歩く学生たち。
画像

↑外国(主にアメリカ)製品ボイコットを訴えるポスター
画像

↑大通りの真ん中でイスラエルの国旗を燃やす人々。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うーむ、興味深い記事ですね。日本にいると、イランの人々はみんな急進的な反米派のような印象を受けますからね〜。外政より内政ですか、なるほど。誰もがまずは国内の安定を望みますよね。

アメリカの忠犬のように振舞う日本は、イランの一般の人々にはどのように見られているのでしょうか?
ころん
2007/10/10 11:34
ひどいインフレなんですか。国外のことより確かにまず自分達の生活の安定が重要ですよね。今後、生活の不安定が長引かないといいですが。

wacky
2007/10/12 13:49
そうですね。一部の報道からだけだと、急進的な人たちばかりが集っているように見えがちです。でも、自分の暮らしを良くしたい、平和に暮らしたいっていう、そういう基本的な思いはどこに住んでいようと、国際的な立場がどうであろうと、誰もが変わらず持つ想いですよね。
日本のことを一般のイラン人がどう思っているか。私の周りは残念ながら(笑)、親日派の人しかいないのですが、日本の曖昧さを棚に上げてくれて(!)、良い方に捉えてくれてる人が多いように感じます。なんだか申し訳ない気分になります。
elly→ころんさん
2007/10/13 20:51
インフレ率、すごいものがありますよ。
第一、お札が普通の財布では入りきれないので、ポーチ風のものを財布代わりに使用してます。イラン人も男性は、ポケットにそのままお札を突っ込んでる人が多いかも。イランの生活が安定していた時代って、もう、いつのことなんでしょうね。
elly→wackyさん
2007/10/13 20:54

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文

Welcom Map

welcommap
Welcom Map
反イスラエル・デイ ETHNOMANIA/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる