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zoom RSS イスラム音楽を語る夜・・・フェスティバル コンダ・ロータ、プレ・イベントへ。

<<   作成日時 : 2006/08/22 19:29   >>

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本当は昨日のうちに書いておきたかったネタ。
おとといUPLINKにて、「イスラム音楽を語る夜−フェスティバル コンダ・ロータ2006 ラマダンの夜特集」がありました。これは、10月始めに行われるフェスティバル コンダ・ロータのプレ・イベント。
第一回目の今回は、関口義人さんが司会、和光大学・千葉大学非常勤講師の村山和之さんが、10月2日公演のファイズ・アリー・ファイズ(カッワーリー)について、音楽評論家の北中正和さんが同じく2日公演のカイハン(ケイハン)・カルホール(カマンチェ&サントゥール)について、また関口さんが3日公演のデュオウード(ウード)について、音源や映像を交え、それぞれ語られました。
村山先生は研究者という視点から収集された興味深い映像を発表してくださいました。
パキスタンはシンド州セヘワーン・シャリフでのウルス(聖者の命日を廟で祝う大祭。命日は聖者の「アッラーとの結婚」も意味する)の様子を撮影された映像は圧巻でした。
(村山先生によると)大祭の3日前から人々は聖者廟の周りに集まり、それぞれの方法で祈りを捧げ、神へ近づこうと試みます。たとえばカッワーリー(神秘主義音楽)を聴く事により忘我の状態へ近付こうとする者。もっと根元的だと思わされたのは、ドール?という大型太鼓を打ち鳴らし、それにあわせて踊ってトランス状態に入ろうとする女性達。ドールのリズムとそれに合わせて踊る人の姿は、グナワのそれとそっくりだと思いました。
おもしろかったのは、カッワーリーは男性しか間近で聞くことができないため、女性は少し遠巻きに聞き入っていたにも関わらず、ドールを使った踊り(確か「ダマール」とおっしゃってました。間違ってたらごめんなさい。)には女性たちの姿が多く見られたこと。このダマールの儀式は聖者廟の外で行われていたのも興味深い点です。
その他にも、イスラーム・シーア派によるアーシュラーの(模擬)儀式が行われていた点にも目を奪われました。アーシュラーでは、カルバラー(現在のイラク)で殉教したイマーム・ホセインを追悼し、その痛みを共有するため、人々は自らの背中を鎖で血が出るほどに打ち付けるのですが、そのソフト・バージョンとでも言えるような、手の平で胸を打ち付ける男達の光景が聖者廟前で繰り広げられていました。
この混沌とした様子はいったい何?と、目が点になりましたが、これが南アジアなんだよな〜と、ヘンな感想を持った私。ウルスにはパキスタン・インドのみならず、ムスリムが世界中から訪れ、それぞれのやり方で神へ近付こうとします。そのオープン性は、イスラームというよりとてもインド的。インドの音楽や文学がイスラームの影響を受けたのと同様に、イスラームもヒンドゥーの波に知らず知らず飲み込まれていった、その様子が窺えるかのような、とても興味深い光景でした。ドールという楽器自体、ヒンドゥー神秘主義でよく用いられる楽器ではなかったかしら?いずれにしろ、モスクが公的な祈り(サラート)を行う場所であるのに対し、聖者廟という場所は、願掛けを行ったりなどといった世俗的な祈り(ドアー)を行う場所であることを、映像を見て実感させられました。
あと、カッワーリーを演奏する楽団の頭上にお札がばら撒かれるシーンがあったのですが、村山先生がおっしゃるには、大きい額の紙幣ではなく、小額の紙幣をたくさんばら撒くことに意味があるのだそうです。それは、ヒンドゥー教の寺院で、神像に花びらをばら撒くこととも関連しているだろうとおっしゃってました。それらのお金は聖者が触れることにより聖化され、カッワーリー楽師たちの収入となるのだそうです。う〜ん、興味深し。10月のフェスでもお金ばら撒きますか?

その他、フェスに出演するファイズ・アリー・ファイズの映像も見せていただきました。ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン亡き後のカッワーリーを背負って立つ彼らの演奏を聞けるのも、とても楽しみです♪ヌスラットは、私は勿論生でなど聴いたことありませんが、2年ほど前に、80年代後半に初来日した際のNHKの映像というのを見せてもらったことがあります。その時はまだカッワーリーがなんなのかも良く知らない状態でしたが、そのド迫力にえらく感動した記憶があります。カッワーリー自体が初体験となる今回、生で聴く迫力に酔いしれようと思ってます。
(偶然、先日questaoさんがヌスラットのCDレビューを書かれていたので、リンク!)

カイハン・カルホールについては、あまり映像もなく、北中さんが、かつて代々木公園に屯していたイラン人から買ったとおっしゃる(笑)、アメリカ発のビデオ・タラネ(アメリカのイラン人コミュニティー発の音楽レーベル?90年代前半にたくさん出回ってたのを覚えています。)の映像を参考映像として見せていただきました。ノウ・ルーズ(イランの正月)に、金持ち女性?が、有名歌手と演奏家を呼んで自宅で饗宴をしている映像なんですが、これがまた古臭くっていいんだな〜。イラン音楽独特のリズム(3拍子)に載って、熱唱するおばさん。隣に笑みを湛えじっと座って聞き入る女主人。革命前の映像かと思われるので、そうするともう30年近く前のもの。なんだか逆に新鮮です。
カイハン・カルホールに関しては、ヨーヨーマのシルクロードアンサンブルで聴いたことはあったのですが、テレビ出演の映像を以前観た際、物静かだけど、含蓄がある言葉を吐く(まるでオシム監督のような?)、インテリ臭のするミュージシャンという印象を持っていました。
実はソロCDは未だ聴いたことがなかったのですが、この夜聴かせていただいたCDでは流麗で、古典音楽をやっている中に、現代音楽のニュアンスも漂わせる演奏に心奪われました。こちらもフェスでの生演奏がとても楽しみです。

デュオウードは、なぜか私は今まで食わず嫌い?だったため、CDも聴いていなかったのですが、この夜紹介された、2004年のチュニジアはエル・ジェム(ローマ時代の円形闘技場が残っている世界遺産)での音楽祭の出演シーンを観て、これは確実にはまるな!と思ったのでした。
かっこいいですよ。さすがに元メタルバンド出身(!)というメンバーが紡ぎだすウードの音は半端じゃなくワイルド。メンバーのふたりともが、マグレブ生まれであるにもかかわらず、フランス人の血をひいていることもあり、伝統音楽や楽器の捉え方にも独特のセンスがあるのかな〜と思いました。テクノとウードの競演がとにかく素晴らしくかっこいいです!北中さんが聞かせてくださったメンバーのメーディ・ハダブさんがかつて所属していたバンド、EKOVAもかっこよかった。フェスではデュオウードに加え、イエメンのアブドゥラティフ・ヤクブという歌手も加わっての公演になります。楽しみですね〜。

(それぞれの出演者の詳細は、カンバセーションのサイトを見てくださいね)

今回プレ・イベントに参加して、ますますフェスが楽しみになりましたよ。
俄然、自分の中で気持ちが盛り上がってきました!

フェスティバル コンダ・ロータに関連して、次は9月9日(土)、関口義人さん主宰の桜丘町音楽夜噺にて、フェスの主催者カンバセーションの中西幸子さんがお話をなさいます。そして9月16日(土)には、再びUPLINK「イスラム音楽を語る夜」第2弾が催されます。(というか、サラーム海上さんの『エキゾ夢紀行』番外編という扱いかな?)UPLINKでは、金沢大学教授の粕谷祐己さんがお話をされるそう。アルジェリアの社会事情やアラブ音楽にも造詣が深い粕谷先生が、仏文学者という視点から語られるであろうコンダ・ロータ、こちらも聞き逃すことはできません!

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
すんません,ひやかしで来ました(笑)。
一瞬,「なんで俺のブログ(背景)?」とか思っちゃいました。それだけのコメントです。ごめんなさい。またね〜。
NAKA-036 ⇒ ellyさん
2006/08/22 19:51
リンクありがとうございます。しかしellyさん、カッワーリーについてはこちらの記事だけで充分っすよ。わざわざリンク辿って僕のブログに来て下さった人は"『大正寄席』を思わせる…"とか読まされても…、ねぇ。僕のは失望と脱力のレビューですから…。逆にこちらの方こそellyさんレポにまたまた学べました!なるほど〜、カッワーリーでは女性は遠巻き鑑賞になるんですね。その他鎖で背中を打つ"行"とか…。ファイズ・アリー・ファイズもデュオウードも未聴なもので、読みつつ指先に軽い震えが止まらなくなるジャンキー症状が現われて参りました。…というかメルジャン・デデも踏まえ、秋のコンダ・ロータはやっぱ行きたいですねぇ…。ん〜行きたいなぁ…。
questao
2006/08/22 23:55
 うわー、プレイベントかなり良かったんですね!うわーうわー、いけばよかったなぁ。。
本チャンは3日ともしっかり、なにがあろうとも行く予定ですが(気合)、プレイベントで予備知識とともに気分盛り上げというのもナイスな楽しみ方ですよね♪
 予備知識という意味ではellyさんの行かれたこの第一回が最も濃密だったのかもしれませんねー。いや、切り口がそれぞれなので単純比較はできないとは思いますが^^;
えひ山
2006/08/23 00:01
ひやかし(笑)。いや、たとえひやかしでも遊びに来ていただくのは嬉しいです〜。
あ、背景、真似しちゃってすみません。
以前からこの背景、気になってはいたのですが、なかなか使う機会がなく、今回「ラマダンの夜」特集なので、これだ!と思い、使ってみました。
それにしても、「またね〜」っていうのが、なんだかかわいらしいNAKAさん…
elly→NAKA-036さん
2006/08/24 17:48
例によって勝手にリンクさせて頂きました。いつも事後報告ですみません(苦笑)。questaoさんの記事の「大正寄席」っていうコメントも、と〜っても気に入ってた部分なんですが(笑)。
で、今回頂いたコメントの「失望と脱力のレビュー」って表現が、またつぼにはまりました!
questaoさんって、コピーライターとかなれそうですよね!
今回、村山先生のお話を伺って、随分ためになりました。知らなかったことを学べるって、単純にいいですよね。
questaoさんもコンダ・ロータ行きましょうよ!
ね?ね?
elly→questaoさん
2006/08/24 17:54
えひ山さん、次回来月9日と16日、如何でしょ?
えひ山さんがおっしゃる通り、予備知識を入れることもですが、今回参加して気分を盛り上げることができたのが良かったです。次回のUPLINKはグナワ・ディフュージョンとメルジャン・デデだと思いますが、また濃そうな予感がしますよ!
フェス中、お会いできるといいですね!
elly→えひ山さん
2006/08/24 18:00
うわーん、これ急用で行けなかったのですが、やはり充実していたようでとても残念です。村山さんにもお会いしたかった……。
でも、ellyさんの詳細レポで内容はよくわかりました。
うーん、でもやっぱり映像&音楽も堪能したかった!
ネレ美
2006/08/26 01:22
残念!
16日はぜひご一緒しましょうね。
コンダ・ロータ、楽しみ〜♪
elly→ネレ美さん
2006/08/26 12:50

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