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zoom RSS 『桜丘町音楽夜噺』にて。音の錬金術師の夜。

<<   作成日時 : 2006/06/27 20:41   >>

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またまたご報告が遅くなりましたが、先週土曜日、関口義人さん主催の『桜丘町音楽夜噺』へ行って来ました。2005年11月に始まったこのイベント、何やかやで参加が出遅れた私は、先月の田中勝則さんをゲストに迎えられたサンバの回に続く、2回目の参加でした。
今回は、「世界の音を訪ねてー音の錬金術師の見つめたワールド・ミュージック」と題され、プロデューサー、そして自らパフォーマーとしても長い間活躍され、また世界中を旅しながら魅力的な音源を集めてこられた久保田麻琴さんのお話を伺うことができる貴重な回。
久保田さんと関口さんの対談という形で、久保田さんが影響を受けて来られたり、音作りに関わってこられた音源を聴きながら噺は進みました。
プレイ・リストや音源は、後に『桜丘町音楽夜噺』のサイトにUPされますので、ここでは詳しいことは書きませんが(というか書く能力も無いですが)、久保田さんがお若い時に触れてこられたジャズ(Eroll Garner やCharlie Parker)をはじめ、大学時代にお好きだったロックやフォーク、ブルース(ボブ・ディラン、グレイトフルデッドやジミヘン)、そしてハワイで「初のアジアを感じられた」後に訪れた沖縄での喜納昌吉さんの音楽との衝撃的な出逢い(それに絡めて喜納昌吉&チャンプルーズと、ライ・クーダーとのレコーディング秘話もありつつ)、一緒に音楽活動をされてこられた細野晴臣さんのエキゾチックなサウンド、そしてロックにどっぷり浸かられるよりも以前、1969年にグラウベル・ローシャ監督の映画を観て以来四半世紀以上の間、心の片隅にあり続けたという憧憬の地、ブラジル・ノルデスチへの旅において出逢われた音源、またブラジルと共に近年足を向けられたというモロッコのグナワ音楽祭の話(グナワの音源紹介は無し)などなど、多岐にわたり、音楽の歴史を感じさせてくれる、そしてまさに「チャンプルーな」音楽の紹介の嵐に、私の頭は終始クラクラしっぱなしでした。
そして何より、久保田さんのご登場と同時にかかった島倉千代子さんの『愛のさざなみ』に始まり、ラストは久保田さんがプロデュースを手がけられたインドネシアのダンドゥットの歌姫、Elvy Sukaesihがカバーしたザ・ピーナッツの『恋のフーガ』で終わった選曲の妙に、驚かされました。
久保田さんが60年代に「濃すぎる」と感じていた日本歌謡の良さを、東南アジアの歌謡に出会う過程で再認識されていったこと、そしてアジアの歌謡と日本の歌謡曲に流れる共通した空気感を、時代を共有していない私でさえも少しは感じることができましたから。
このあたりのお話からは、どこぞの音楽にこだわるとか、ジャンルにこだわるとか、世の中ではかっこ悪いと思われているんじゃないかとかいう、全ての壁を取り払って、あらゆるジャンルの音楽に触れ、消化(昇華)してこられた久保田さんならではの姿勢を強く感じさせていただきました。基本的なことですが、そう、音楽は、語るための道具ではなく楽しくなくっちゃ意味が無い!

また、グナワに触れられた際、乗ってくるにつれカルカベ(鉄製カスタネット)の刻むリズムが三連符のそれに近づいて、独特のグルーヴを生み出すという事実に気付かれたこと。そしてそのことがカーニバルで聴いたサンバのリズムに共通しているということに驚かれたという話は、食い入るように聞き入ってしまいました。(このあたりのお話は、久保田さんの著書『世界の音を訪ねるー音の錬金術師の旅日記』(岩波新書)でも書かれています。)
本を読ませて頂いた段階で感じさせられていたことだったのですが、文化と文化の出会い、それが互いにミックスしていく過程を久保田さんは見事に捉え、存分に楽しまれている様子が、とても痛快なのです!久保田さんが近年訪れられたノルデスチ、あるいはグナワが盛んなモロッコ南西部のエッサウィラは、まさに文化が拡散し集合し続けた場所だったでしょうし、その動きとエネルギーを生々しく感じられる、文化の混淆がまさに現在進行形の場所なんだろうなと思います。余談も余談ですが、お話を伺っている間、なぜかM・バルガス=リョサの『世界終末戦争』という長編小説のいくつかのシーンが頭を過ぎっていました。

実は今回の夜噺では久保田さんの現在というよりも、過去に触れてこられた音楽、いわば「久保田さんの歴史」の方に重点が置かれていました。
それは、このイベントが行われる約一週間前にサラーム海上さん主催の『エキゾ夢紀行』の方で、レシーフェのカーニヴァルやエッサウィラのグナワ・フェス、スリランカのWOMADの映像も絡めて、久保田さんの「現在進行形の」プロジェクトが語られたためだと思われます。
どちらにも参加できていれば、さらに濃い体験が出来たことでしょう。残念!

そしてそして、夜噺の終了後。
トラットリア・アル・バッコというイタリアン・レストランで開かれているこのイベントは、終了後主催者とゲストを囲んで??食事をするというとんでもない!オマケが付いてくるのですが、この日はサラーム海上さんもお越しで、久保田さん、関口さん、サラームさんと同じテーブルについて食事をするというおそろしい??事態に陥ってしまいました。
気が弱い私には、心臓に悪いです(お三方に大変失礼)。
勿論、私以外にも数名残ってらしたし(いずれも魅力的な方ばかりで恐れ多かった)、年下の頼もしいお友達が一緒だったので、少しは気持ちが紛れたものの、会話を楽しめる余裕など私には残されていませんでした・・・。
しかし、食事のテーブルでは、夜噺の最中には話題に上っていなかった「南インド」、そしてスリランカと日本の「おりこうさん」文化の共通性、イージーリスニング(いわゆる癒し系の音)の中で、魂のこもったワールド・ミュージックをやってやろう!(表現が微妙に違う気がします。すみません。)といった試みで現在も続けられている久保田さんのプロジェクト、『ブルー・アジア』シリーズのことが熱く語られていたように記憶します。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
土曜日はお疲れ様でした〜。
おお〜、すばらしいレポートありがとうございます。自分は喜納さんとのお話あたりしかはっきり覚えていませんでしたが(衝撃的だったのでw)そういえばそんなことを喋られていましたね〜。
あとは通風の話とかどうでもいいことしか覚えてないだめな子……。
ネレ美
2006/06/27 21:47
ネレ美ちゃん、早速お越しくださりありがとう。あなただけが頼りの気の小さいお姉さんで申し訳ない…。
とにかく多岐に渡っていて濃いお話が多かったのですよね。だからすでに記憶が飛びまくってます。もったいない。またお話を聞く機会があるといいですよね。音楽以外の小話?、私も案外残ってます。次回は来れないけど、またよろしくね。
elly→ネレ美さん
2006/06/27 22:56
素敵なイベントですね。世界の音・・・どんな音が夜空を奏でたのかしら?メンバーも凄い方々だし・・・。
素敵な音楽が流れると本当に癒されたり、楽しくなっちゃったり、自分の心が聞くだけで軽くなったりしますよね。
コンサートだけではなく、素敵なレストランでのイベント・・・。沢山の貴重な話をもう、緊張してあまり食べれなかったのでは?
(お話を聞いてお腹いっぱい!!って感じですよね)
絵に描いたような素敵な時間・・・。
羨ましいです。
Miwapyonta
URL
2006/06/28 22:13
このイベントでは、毎回ワールドミュージックのそれぞれのジャンルで「通な方」が招かれて、お話&レアな音源を聴けるので、ワールドミュージック好きにはマストなイベントです。
Miyapyontaさんが日本にいらっしゃるようなら、ぜひお誘いしたかったですけど…。(残念!)
そうですね、ステキでスゴイ方々に囲まれて胸がいっぱいでしたが、お腹もちゃんといっぱいに。
Miwapyontaさんのご想像に反して、ご飯ちゃんと食べましたよ〜。パスタが美味しかったなあとかちゃんと覚えてますしね;
elly→Miwapyontaさん
2006/06/30 21:59

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