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zoom RSS 世界の路地〜チュニス旧市街(チュニジア)編〜

<<   作成日時 : 2006/06/02 23:18   >>

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画像人口約170万人を有するチュニジアの首都、チュニス(تونس)
チュニスの列車の駅を降り立つと、あるいは、空港から市街地へ向かっていくと、そこではチュニジアがイスラームの国であることを忘れさせるかのような、フランス風の白い豪奢な建物の街並みが出迎えてくれる。大通りにはオープン・カフェが点在し、地中海の陽光の下、気ままにティータイムを楽しむ人々で賑わいを見せている。通りの名前には、フランスによる植民地時代を偲ばせるものが多数目に付く。街を行き交う女性の服装も、イスラーム圏であるとはとても思えないような大胆な服装。ヘソ出しルックやミニスカートはもはや当たり前。最初は少なからず衝撃を受けるが、街を歩いているうちにいつの間にかそれも違和感がなくなってくる。

しかし、大通りを抜け、石造りの大きな門(その名も「フランス門」!)をくぐり抜けるやいなや、そこにはイスラームの喧騒が待ちかまえる。
そう、ここはチュニスのメディナ(旧市街)1979年にユネスコの世界遺産にも登録されている。
イスラームの北アフリカ侵攻により、698年よりカルタゴに替わって首都となったチュニス。街は9世紀から14世紀にかけて大きく発展していく。今の街並みは14世紀のそれと、殆ど変わらないのだという。

多くのイスラーム都市にあるように、市街地は人がやっとこすれ違えるかどうかの細い路地が入り組み、土産物屋や生活用品店がところ狭しと軒を連ねている。
ここ、スーク(市場)を歩くのはドキドキの体験だ。
多くの商売人に店に入るよう声を掛けられ、多くの似非ガイドに街を案内すると言っては強引に連れて行かれそうになる。
そして、あれだけ女性が溢れていた新市街とは違い、旧市街では極端に女性の姿が見られなくなる。
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店の種類は、旧市街におけるその店の位置によって違ってくる。
街の中心部に位置するグラン(大)・モスクザイトゥーナ・モスク)を囲むかのように張り巡らされた市街地。モスクのすぐ近くは聖域とされるため、貴いものとされる香水を扱う店(アッターリン)のみが、存在することを許される。チュニジアではかつて病気の治療や悪魔祓いに香水が用いられてきたそうだ。
そして、かつてオスマン・トルコの支配地だったチュニジアでは、赤いフェルト製のトルコ帽を被った男性も多く目にする。メディナでは、トルコ帽を店頭で作っている店も多く存在する。
画像

      (分かりづらいですが、写真奥で、男性がフェルト帽をつくっています)

同業者同士が隣り合って軒を連ね、旧市街の一画を占める。それがスークの形体だ。ここは香水屋のスーク、ここは貴金属のスーク、ここはクルアーンを売るスーク・・・というふうに。

ケバブ類の焼ける香ばしい匂いや、大モスクから聞こえてくるアザーン、カフェから聞こえてくる人々のお喋りやアラブ音楽、全てが渾然一体となって押し寄せてきて、アラブにいることを実感させる。
そう、チュニスに来たら、瀟洒でモダンな新市街と、混沌としたアラブ世界とのギャップを楽しまなきゃ!

とは言っても、喧騒に疲れを感じてきたらスークを外れ、チュニスの市民が暮らす住宅地へと、フラリと足を向けてみるのもいい。
画像

両側にせまる高い白壁。日の光も十分に届かないような薄暗い路地で、女性のお喋りや子どもたちの遊ぶ声以外は殆ど聞こえてこない。
住宅地はスークから目と鼻の先。観光客や買い物客でごった返す騒々しい空間からちょっと離れるだけで、静まりかえった街並みをのんびり歩くことができる。
ここでは、無邪気に話しかけてくる子どもたちやおばさんはいるものの、商売目当てで声をかけてくる者はいないので、安心して散歩を楽しむことができるのだ!

白い壁に縁取られた色鮮やかなチュニジアン・ドアの街並みを眺めていると、素敵だとは思うけれど人が住んでいる実感が湧いてこない。
行けども行けども、夢の世界のような幻想的な街並みが広がっていた。そして細い路地は先が見えないくらい延々と伸びていく。
画像

どこまで歩いていこう。このままずっと先まで歩いていっていいのかな?
少しだけ不安になりかけた頃、ふと、行き止まりに遭遇する。
そう、これがメディナなのだ。
画像

その頃には自分の方向感覚も大方見失っている。
迷宮都市にまんまとはまり込んでしまった自分に気付く。
そんな時は、そう。上を見あげればいい。
彼方に大モスクの尖塔が見える。イスラーム世界ではいつも、モスクが人々の道しるべ。
それは、精神的な意味でも、そして行く先を推し量るという意味でも。

夕刻の礼拝を告げるアザーンが聞こえてきた。
そろそろ私も帰路に着くとしようか・・・



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今日はまず世界遺産のカルタゴ遺跡を巡ります(いくつか点在しています)。 ...続きを見る
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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
 この狭さ、やはり昔のままなのですね。私も中国で、宋の時代からの町並みを通りましたが、狭い通路にびっしり家が並んでいました。
筑紫万葉
2006/06/03 22:38
モスクは色々な意味で道しるべなんですね!
白い壁の路地、とってもキレイ(*^o^*)
私も悲願のギリシャの路地を歩いてきます!!♪
wacky
2006/06/04 02:09
中国の田舎にも素敵な路地がたくさんありそうですね。実際に訪れていないので、イメージが湧きにくいですが、地中海の乾いた色鮮やかなイメージとは違い、もっとけぶったような、土色のイメージが頭の中に湧いてきます。そして、中国の人口を考えると、びっしり家が並んだというのも納得!
elly→筑紫万葉さん
2006/06/04 18:34
wackyさん、悲願のギリシア訪問おめでとうございます!私がギリシアを訪れた時は、まだ路地フェチ萌芽前だったのか、残念ながらあまり写真に残していませんでした。でも記憶の中には素敵で切ない路地のイメージがたくさん残っていますよ!サントリーニ島の白壁に囲まれた路地を、ロバのキャラバンが夕方家路に着く時に聞こえてくるシャンシャンシャンという音とか。夕暮れの赤い空とその音が相まってなんとも切なくなりました。サントリーニ島にも行かれるとのこと、よければ素敵な路地をたくさん写してきて、私に見せてください。
elly→wackyさん
2006/06/04 18:38
フランス統治の歴史の跡を残しながらも、道しるべであるモスクを中心にイスラムの街が広がる・・チュニジアは二つの雰囲気を併せ持つ素敵な街ですね。
路地の写真を拝見すると、やはりどこかギリシャの島を思い出します。こういう場所は本当に非日常でふらふらと彷徨うのが一番。行き止まりもまた一興で、旅の醍醐味を感じます。
路地を歩きたくなりました・・・。
ところでこちらの常連さんでギリシャに行かれる方がいらっしゃるのですね!!(コメント欄の文字が目に飛び込んできました)
食、風景、人など心に残る出会いが沢山あり、ギリシャの良さを感じて帰られることを心から祈っています。カロ・タクシーディー!(ギリシャ語で良い旅を!)

さらさ
2006/06/09 14:57
北アフリカや中東の大都市は、植民地時代に作られた新市街と中世以来の旧市街、双方を備えた国が多く、そのギャップを楽しめる点もお気に入りです。モロッコのフェスなど(まだ行ったことはないんですが)、その典型です。フェスは、フランス人が意識的に城壁の中にある旧市街をそのままの形で残そうとしたようです。
チュニジアの街並み、やはりギリシャの島に似てますか。行き止まりに迷路のような街並み、ゆっくりした時間が流れる地中海の国々では、のんびり非日常的な路地歩きを楽しみたいですよね。
そう、wackyさんが念願のギリシアへもうすぐ旅立たれます。随分長いことギリシアへ行きたいと言っていたので、本当に嬉しいと思います。彼女はよくここを訪れてくれるので、さらささんからのコメントもきっと目にされると思います。暖かいお言葉ありがとうございます!
elly→さらささん
2006/06/09 23:37

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