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zoom RSS アラビック・ダークネス〜ORANGE BLOSSOM〜

<<   作成日時 : 2006/05/09 19:33   >>

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[EVERYTHING MUST CHANGE](2006年)
ORANGE BLOSSOM
画像
1.MALDITO
[CURSED 呪い]
2.HABIBI
[ MY DARLING 我が恋人]
3.CHEFT EL KHOF [I'VE SEEN FEAR 恐怖を見た]
4.DESERT DUB
[デザート・ダブ]
5.NAFSI
[MY SOUL 我が魂]
6.SOUFFRANCE
[苦痛]
7.BLAMA
[ブラーマ]
8.YAZAMAN
[A LONG TIME AGO 遥か昔]
9.DENYA
[LIFE 生きる]
10.BENDIMINA
[MY HEART IS ACHING 痛む我が心]

最近聴いているCD第2弾。
田中昌さんによるライナーの日付は2006年4月26日。まだ発売になって間もないですね。
このオレンジ・ブロッサムというグループ、フランスはナントで結成されたバンドで、本作がワールド・デビュー作なのだそうです。イギリスのWrasseRecords社がライセンスを取得して発売しています(オリジナルはフランスのBONSAI MUSICより2005年に発売)。今までもwrasseから出ているものは好みのものが多かったというのもありますが、ヴォーカルがアルジェリア移民の父を持つ移民2世の女性というところにも、ビビっと惹かれました。今まで、本人がマグレブからの移民だというミュージシャンの作品はいくつも聴いてきたけれど、実は2世のものって聴いてなかったような・・・。
自分の親の代が親しんできたアラブの音楽をどんな風に消化し、形にしているのかっていうところに、とても興味が湧いたんですよね。
それに、このCD、日本での取り扱いはオフィス・サンビーニャNAKA-036さん同様、私もオフィス・サンビーニャだったら、大丈夫だろうみたいな安心感があり、当CDを手に取ることにしました。

ライナーによると、小さい頃からアブドゥル・ハリム・ハーフェーズウンム・クルスーム等に親しんできたVo.のレイラ・ブヌ。よって歌唱法は自ずとアラブ歌謡のようにコブシが効いたものとなっていますが、曲調に合わせ、コブシの具合がコテコテになったり緩くなったり、わりと変幻自在のようです。メンバーには他にヴァイオリニスト、ドラムス&プログラマー、西アフリカ音楽に精通したパーカッショニスト/アレンジャーがいるようですが、ヴァイオリニストのPJ・チャボットという人の音楽遍歴がなんともおもしろいのですよ。クラシックとパンクなのだそうですわ。楽曲にて流麗に流れるヴァイオリンからは確かにクラシックの素地が窺えるものの(というか、ヴァイオリニストは大概クラシックを通ってきてますよね;)、パンクとは!・・・と、ここまで書いてまだ肝心なことを述べていませんね。
オレンジ・ブロッサムがどのような音楽をやっているか、についてです。
私が感じたこととライナーに述べられていることを合わせて書きますと、基本はテクノ&アラブです。アルバム前半は、とにかく硬質な打ち込みのビートに、流れるようなアラビックな響きのストリングスと、ハードなギター・サウンドが被さってきます。このギター・サウンドがポイント。アラブとテクノの融合したもの、同様にアラブとロック(ポップ)が融合したものは数多くあれど、3つ同時に奏でられるものは、私はあまり聴いたことがなかった。いや、多分聴いたこと自体はあるのだけれど、オレンジ・ブロッサムほどハードで、絶妙に3者がブレンドされたテクノ&アラブ&ロックは聴いたことなかったんですよ。
彼等の音楽性は1曲目で既に爆発します。静かなSEからなる導入部に、すぐにファンキーなホーンとギター・カッティングが続き、ストリングスが被さってきます。レイラのゆるめの歌にラップが被さり、と、随分音数の多い音楽が続きます。間奏に入ると全ての音はストンと落ち、アフリカ系のパーカッションの音がポコチャカと静かに鳴り響きます。とにかくノレるんだな〜。なんだか音楽性めちゃくちゃなんだけど、妙にかっこいい!
2曲目はテクノとへヴィーネスを重視したサウンド。レイラ・ヌヴも超低音で歌い続けます。が間奏では美しいファルセットのコーラスも聞かせてくれます。導入部はレイヴ(懐かしい!)風の打ち込みをバックに歌いますが、これまた激しいギター音が被さってきて、曲調は一気にロックへと変貌を見せます。ラストは美しいヴァイオリンの演奏、そして重低音を効かせた打ち込みのリズム、そしてやはり暴れまくるギターとの競演で幕を閉じます。
3曲目は歌い方がアラブというよりベルベルっぽいかなあと感じさせられましたが(Vo.は特にベルベル系とは書かれていないのでアラブ人だとは思います)、一番印象に残った曲です。このままクラブで使ったらカッコ良さそうな曲です。絶対踊れます。
アルバム前半は疾走感を持ってあっという間に聴き終わってしまいます。
このアルバム、今時珍しく収録数10曲ぽっきりなのですが、後半の6曲目になると、突然の変容を見せてくれます。ライナーにも書かれていますが、「ヒーリング・ミュージックのような様相を見せる」6曲目で、私は一気に拍子抜けしてしまいました。
が、7曲目、アラビックな響きのアコーディオンが流れ出し、ライを思わせるレイラの歌が始まり、ワンコーラス終わった時点で、ダルブッカやストリングスがアラブ・アンダルース風の旋律を奏で出した時、幸いにもオレンジ・ブロッサムの世界へと引き戻されてました。
後半では、8曲目で僅かにテクノの流れを汲むアレンジが聞かれますが、9曲目を除けばレイヴ風のテクノサウンドは陰に隠れてしまい、ラスト近くまで静かで瞑想的でアンビエントなアラブの旋律が続きます。このストンと落ちる感じが妙に気持ちがいいのだと思います。
ラストは突然趣向を変えて、アフロなサウンド。あ、今までの曲にもアフリカン・パーカッションが使われていたりしてその要素はあったんですが、10曲目は完全にアフロ〜♪な感じです。ゆる〜いリズムを奏でるアフリカン・パーカッションがなんとも陽気なのですが、どこかにダークさが残るのは、その旋律がマイナー・コードだからか??ちなみに、Vo.はレイラではない男性(Lassana Coulibaly)が担当しています。でも、ラストのラストで、アラブ風旋律を奏でるストリングスが入り、それに続くように、さらにはシークレットトラックとして、ダンサブルでプリミティヴなアラブ音楽が入っているのがミソですね。ガイタ(ズルナかなあ?)の音色が印象的!

サウンドは全体的にダーク。美しく響くストリングスの音色も、実はとってもダーク!
とんでもない的外れであることを覚悟しながらも感じたことをひと言。彼等のロックな面にはゴシックの影響も聞き取れる気がするんだよなあ。。。

サウンドには、特に移民2世のメンバーがいるから云々ということは聴き取れないように感じたけれど(西洋人のミュージシャンでもしなやかにミクスチャーな音楽をやっている人はいるにはいると思う)、Vo.の唄法は、やはり付け焼刃的に習得できるものではないと思った。小さい頃から耳慣れたアラブの大御所たちの歌は、やはりレイラの血肉となって開花し、オレンジ・ブロッサムというグループに、アラブの風を起こしているのだなあと思いました。

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
 こんばんは!
 むむ、オレンジ・ブロッサム、なんだか私の好きそうな感じ…チェックします!

 そういえば先日、こちらの記事で紹介されていた「e-foodブログ」を参考に代々木のエスニック料理店に行ってみました。こういうサイト探していたんですよね〜。情報感謝です^^
 今後あのサイトを参考に一軒ずつ開拓していくのが楽しみです!!
えひ山
2006/05/12 21:09
 …と、早速貼ってくださっているリンク先で試聴してきました!
 いやーまさに好きな感じ。これ、買います!

 NIYAZみたいなものをもっと聴きたい、けど同じではなんなので他地域の、味付けも違った感じのものは…?と思っていましたら、まさにこれですね^^
 うーん、ellyさん情報は頼りになります。またまた大感謝です!
えひ山
2006/05/12 21:15
おお!そうですか!えひ山さんお好みだったなら良かったです。CD視聴できない場合は、けっこう買う時戸惑いますよね。なんとなくこれは好きな気がすると思って冒険して買うこともありますし、段々と勘のようなものも働くようになってきたものの、先に雑誌やネットのレヴューなどを読んでいると参考になりますよね。ですから、今回自分が書いたものを参考にしていただけるなんて、とっても嬉しいです〜。オレンジブロッサム、聴かれたら感想ぜひ書いてください!えひ山さんは何風と思われるか、興味があります!私は絶対ゴスだ…という考えが頭から離れない;
e-foodブログ、参考になりますよね。あと「All About」の「エスニック」も参考になります。
elly→えひ山さん
2006/05/12 23:34
…こ、これ、買う買う買う!
すみません、前回のオホスに続いてまた興奮しっ放しでキーボードひっぱたいています!
オレンジ・ブロッサムっていうグループ名、オフィス・サンビーニャ発、アラビック・テクノ、ダークネス&へヴィネス、ギターサウンド、そして"ハビビ"や"デザート・ダブ"なんてエスノごころをくすぐる曲名、何よりこのジャケでもうすでに買う決意を固めた僕。
これだけの好条件、めったに揃いませんし、探してもそうそう見つけられませんよね!?
ellyさん、またこんな素敵なレヴューをありがとう!
questao
URL
2006/05/13 01:38
わお!questaoさんが興奮!
確かに、こうやってキーワードを抜き出していただくと、ワクワクしますね。
あ、でもダークネス&へヴィネスに関しては、私の勝手な印象ですから、全くの的外れな意見である可能性をご了承ください。
一曲目は実はかなりキャッチーだし、ご想像より聴き易いアルバムかもしれません。そして、ハビビは、タイトルからは想像できない?かっこいい曲でしたよ♪
しかし、questaoさんはいつも嬉しいあったかいコメントくださるなあ。感謝感謝です。
elly→questaoさん
2006/05/13 22:28
 ellyさんこんばんは♪
 そんなわけでORANGE BLOSSOM届きました。想像通り、ある面では想像を超えたおもしろいアルバムです^^
 フランスも人種の(移民の?)るつぼということで音楽はかなりエネルギッシュですね。なんとなくトニー・ガトリフの「愛より強い旅」を想起したりもしました。
 よいアルバムをご紹介くださりありがとうございました!
えひ山
2006/05/24 20:29
えひ山さんのところから帰ってきましたぁ〜。
いや、ほんとに良かったです、気に入られて。
だって私のレヴュー読まれて購入されて、「なんじゃ、こりゃ?!」だったら、そんなに悲しいことはないですものね。
それにしても、さすがえひ山さん、なレヴューでした。楽器の名称などほんと弱い部分なんで勉強になりますし。Evanescence風というご指摘も、おもしろ〜いと唸りましたよ♪ガトリフですか〜。同じアルジェリアですもんね。なんかマグレブ特有のエネルギーみたいなものって、絶対ありますよね。
いいですね、リンクして頂いている方と同じCD聴くって。これからもおススメCDなどガンガン情報交換できるといいですね、ね?
elly→えひ山さん
2006/05/25 21:15

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