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zoom RSS Celtic Xmas2005

<<   作成日時 : 2005/12/13 19:56   >>

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先週末、すみだトリフォニーホールで催されたCeltic Xmas2005に行って来ました。このケルト音楽メインのクリスマスコンサート、毎年行われているもので(私は初めて行ったのですが)、毎年数組のケルト(アイリッシュ)・ミュージックシーンを代表するアーティストが出演しています。
企画会社は、またしてもプランクトン彩の国ワールドミュージックフェスの記事参照)。ジプシーケルトに強い会社だとはいえ、あまりにも私の嗜好と合致する部分が多く(愛より強い旅』サントラもプランクトンより発売)、お気に入りの企画会社です。
今年の出演者は第一部、イギリスフルート奏者Michael McGoldrickデンマークフィドル奏者とギタリストのデュオ、Haugaard&Hoirup、第二部、アイルランド系アメリカ人を中心に結成されたアイリッシュ・トラッドバンドSOLAS、そしてSOLASの演奏中には『リバーダンス』の初代プリンシパル、Jean Butlerアイリッシュダンスを踊るという豪華なものでした。
ここまで書くと、生粋のアイルランド生まれの出演グループはなかったことが分かります。が、かえってそのために、アイルランド系移民の世界的広がりと共に拡張していったケルト・アイリッシュミュージックの潮流をつぶさに感じられる演奏会だったとも言えます。

今回の私のお目当てはSOLAS。5年ほど前から、その疾走感溢れる音と、美しいメロディーラインに魅せられ、ずっと生で聴いてみたいなと思っていたのです。
とはいえ、他の演奏家たちも超絶技巧&天才と表現してなんの違和感も無い人たちばかりで、聴きに行って本当に良かったと思わせられました。
こんなすごい演奏会をたった5000円ぽっきりの値段でしてしまっていいの!?なんて、いらぬ心配までしてしまった私です。

ステージはクリスマスらしく繊細なライト&イルミネーションに彩られた幻想的なものでした。出演者が登場する前にはブルー&グリーンにぼんやり浮かび上がったステージは、演奏中は(私の中でケルトを強く思わせる)オレンジのライトニング(多分ケルトのどこか懐かしい音と、夕暮れのイメージが強く結びついているのでしょうね)に徐々に変わって行きました。とても幻想的で、クリスマスムードもいっぱいの素晴らしい演出でした。
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Michael McGoldrickは、ボーラン*奏者のJohn Joe Kellyルナサの新ギタリスト、Paul Meehanとのトリオ編成。ルナサと言えば、私が大好きなアイリッシュトラッドバンド。でも「大好き」なんて言いながら、実はルナサのギタリストが変わっていたことを知りませんでした(苦笑)。エッジの効いた力強いギターで、むしろロックのギタリストの方が向いているのでは?と思わせる元ギタリスト、Donogh Hennessy(彼は今どこで何をしているのでしょう??)。彼のファンだっただけにちょっと複雑な思いでステージの幕開けを待っていた私でしたが、新しいルナサのギタリストは、しっかりドナの後を継ぐ、力強いギターの音色を聴かせてくれました。(実は今回の3組の出演者の中でこのギタリストが一番気に入ったくらいなんです。)
そしてマイケル自身、ルナサ結成当時のメンバーの一人。ルナサの疾走感とロックテイストの強い音を聴くことができ、大満足の演奏でした。次々と音が展開し円環を描き、いつまでも終わることが無いんじゃないかと思わせるReel(4/4拍子のリズムで展開されるテンポの速い音楽)演奏では、彼の指の動きを見ているだけで、ワクワクドキドキさせられました。また、アイリッシュミュージックではフルート音がしゃがれて、まるで尺八のように聴こえるのも特徴でしょうか?そこからアイリッシュトラッド独特の渋みと懐かしさが生まれている気もします。
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ハウゴー&ホイロップは、一転して優しくメロディアスな音楽を聴かせてくれました。デンマークの伝統音楽に始まり、ケルト音楽をもカヴァーしたステージとなりました。
フィドルのハラール・ハウゴーは、30歳という若さにして、デンマークでは伝統音楽界の最重要人物と見做されているそう。伝統音楽、クラシック音楽と双方で鍛錬を経てきた彼のフィドルは、安心して聴けると同時に、時にあっと驚くアレンジを聴かせてくれました。それにこの若さにも関わらず大御所然とした物腰。けれどけっして嫌味っぽさは微塵もありません。
対するホイロップのギターは、とってもメロディアス&メロー。ちょっと太めの、頭が薄い!風貌からは想像も付かないロマンチックな音を彼のギターは奏でました。デンマークの伝統音楽というのがどういうものか全く知らなかった私ですが、ケルト世界とのつながりを漠然とながら感じることができたのは、ホイロップのギターが演出する「どこか懐かしい雰囲気」だったのではないかと思います。
それに、この二人のアンサンブル、とてもフィドル&ギターというシンプルな楽器編成とは思えないくらい、音数が多く感じられました。ホイロップのギターはメロディアスであると同時にリズム隊としてもデュオを支えてるんですね。ハウゴーのフィドルはとっても華やかですし。とにかく派手なんでしょうね。
それにこのふたり、パフォーマーとして最高でした!サービス精神旺盛で、流暢な英語のMCで大いに楽しませてくれました。「日本大好き」発言を終始繰り返し、「特に女の子がカワイイ」のお決まり文句も忘れない徹底したMC。ほとんど一曲終わるごとにふたりそろってMCを挟む感じで、短い演奏時間にもかかわらず、和やか&アットホームな雰囲気を一気に作り出しました。演奏テクと彼らの置かれた「伝統音楽重鎮」という立場にもかかわらず、こんなにくだけたムードをつくれるなんてスゴイ!
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そして待ちに待ったSOLASの演奏。
ステージは先に発売されたアルバム『waiting for an echo』(05年。国内発売元プランクトン。)の曲を中心に進みました。アルバムではゲストプレーヤーによるドラムスやベース音も入ったロック色の強い音が聴けますが、ステージではマルチプレーヤー(ギター、バンジョー、ブズーキ、マンドリン、ホイッスル、フルート、ボーラン)のSeamus Egan、フィドルのWinifred Horan、アコーディオン、ホイッスル、ヴォーカルのMick McAuley、リードヴォーカルのDeirdre Scanlan、ギター、キーボード、ヴォーカルのEamon McElholmという正式メンバーによるアコースティックなアレンジによる生音が聴けました。
とにかく彼らはアンサンブルが美しい&素晴らしい!疾走感と絶妙のアンサンブル(特にギターとウィニーのフィドルのアンサンブルが私はスリリングで好きなのです)に加え、キャッチーさとメロディの美しさも揃っています。それになんと言っても、SOLASのいいところ(というか私が好きなところ)は、「切なさ」にあります。ウィニーの奏でる泣きのメロディーにはホント涙が出ます。
ヴォーカルのディアドラも(声自体にはさほど特徴がないのですが、それがまたアイリッシュトラッドには合っていると思う)、抜群の歌唱力で泣きのメロディーを切々と歌う。そして、アコーディオン奏者のミックもディアドラに負けず劣らず歌がうまい!!

SOLASのメロディーはフィドルの泣きのメロディーとアコーディオンの懐かしいメロディー、それと3人のヴォーカルによる爽やかなコーラスワークから成り立っていると言えると思います。
その主旋律の下を這うようにシェイマスのギターがうねって行きます。確かにこの人、天才かも。
一曲中でギター、バンジョー、フルート(あるいはティンホイッスル)と持ち替えることもあり、その気転の効くことと、いずれの楽器においても確実な技巧を見せてくれる姿は圧巻です。それをあまりにさらりとやってのけるので、それがスゴイことだと一瞬忘れてしまうけれど、どれもが確実なテクニックから成り立った余裕のなせる技なんだよな。ちなみにステージでのシェイマスの演奏楽器は、ギター、フルート、ホイッスル、バンジョーのみでした。
そして、彼らはなんて楽しそうに茶目っ気たっぷりに演奏するのでしょう。まるで、ライヴハウスで演奏しているかのように、互いの顔を見合わせ、にっこりと微笑み合っていました。この仲の良さ?も息の合った演奏につながっているんだろうな。

アイリッシュダンスのジーンは数曲で登場。中には意外にもスローな曲でダンスを披露してくれました。アイリッシュダンス特有の「水面下での動き」を表す、腕を殆ど動かさない足もとだけのステップ。(残念ながらダンスのことはあまりわからない)
抜群のプロポーションと華やかさに、同姓ながらクラっときました。

舞台の最後は出演者全員によるセッション。うわ〜!なんて贅沢!しかも一曲ぽっきりではなくテンポの速いリールやメローでスローなヴォーカル曲など数曲からなるステージ。
最初私はハウゴーとウィニーのフィドルは喧嘩してしまうのでは?と懸念していました。どちらもクラシック音楽を学び、確実な技巧に基いたフィドラーなのですが、クラシック色が強い流れるような(私にはそう思えた)ハウゴーに対し、勢いのあるウィニーのフィドル。しかし、この二つの音色が互いを邪魔せず、それぞれの持ち味を生かす形で融合していたのです。素晴らしい!さすが天才は違う!
同じように総勢4名のギタリストの音色も美しく整った、時にスリリングなアンサンブルを聴かせてくれたのでした(シェイマスはバンジョーを担当していた場面が多かったですけど)。
他にも、ハウゴー&ホイロップのステージ中にはマイケルがフルートで登場したりと、けっこうセッション色の強いコンサートでした。それこそ、アイリッシュミュージックの原点に帰ったかのような即興的なアイリッシュパブでのセッションを意識させるステージだったと思います。
ジプシーのラストのセッションでは『8時だよ、全員集合!』を連想してしまった私でしたが(彩の国ワールドミュージックフェスの記事参照)、今回は賑やかさよりも演奏の確かさ、セッションにもかかわらずピッタリと息のあったアンサンブルに度肝を抜かれたのでした。そして、それをいとも軽やかに楽しそうに表現する彼らのしなやかな姿勢と余裕に感嘆したのでした。

尚、私のつたないライヴレポではわかりにくいかと思いますので、ぜひプランクトンのWebサイトをご覧ください。写真でコンサートの模様がレポートされています。

*ボーラン:アイルランド民族音楽で用いられる枠太鼓。奏法は、両端が丸く膨らんだ短い撥を回転させるように叩く。

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