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zoom RSS オアシス都市と海洋都市 音の邂逅〜M'BARKA BEN TALEB〜

<<   作成日時 : 2005/11/16 17:41   >>

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『ALTOCALORE』(05年)
M'BARKA BEN TALEB
画像

@AL FAGER アル・ファジェル
AYAWI ヤウィ
BTOZEUR トズゥール
CINDIFFERENTEMENTE 無関心
DAMRA アムラ
EFARAH ファラー
FZURU ZURU NAPOLI ズル・ズル・ナポリ
GFESTA DI SANTI  聖人の祭り
HALTO CALORE アルト・カローレ
IDAYIRBIK ダイイビック
JYASMAR ヤスマール

チュニジアの砂漠の旅をやってから、少し経ちましたが、まだまだ砂漠を引きずってますよ〜(笑)
先日はアルジェリアのカビール族の血をひくベルベル女性、INESS MEZELの音楽を取り上げましたが、今日はチュニジア、しかも砂漠の旅で話をしたトズール!出身の女性アーティストのアルバムのご紹介です。

みなさんは1960年代にナポリの伝統音楽ベースのトラッドミュージックを演奏していたグループ、NCCP(Nuovo Compana di Canto Populare)をご存知ですか?・・・なんて、訊ねておきながら、実は私も名前しか聞いたことないのですが。(世代が違いすぎる〜、と、言い訳。)
というわけでNCCPとM'BARKAについては、以下、松山晋也さんによる当アルバムのライナーノーツを要約する形を採ります。
NCCPのリーダーであったベンナートは、様々な音楽遍歴を経た末に、90年代後半にタランタ・パワーというグループを組んだ。(自ら立ち上げたレーベルの名前でもある。)「タランタ」とはタランチュラに咬まれた人が汗を出し毒を抜くよう激しく踊るための南イタリアのダンス音楽!!「タランテッラ」にちなんだ名前だそう。それを自分の音楽と信じ、タランテッラを含むナポリのトラッド音楽を中心にしたバンドがタランタ・パワー。そのタランタ・パワーのファーストアルバムに参加したり、ベンナートのソロアルバムでゲストシンガーをしたりして、実力をつけたM'BARKAのファーストアルバムが本作だそうです。
M'BARKAは1990年にナポリに活動拠点を移し、ナポリ派のミュージシャンたちと親交を深め、本作のリリースはナポリにあるMAROCCO MUSICというレーベルからだということ。(以上、ライナーノーツより抜粋&要約)

では、収録曲のご紹介と楽曲を聴いた感想を書き綴りたいと思います。
導入部でアザーン(イスラームでモスクのミナレットの上から礼拝の時刻を告げる朗誦)のような男性の声が、チェロの音色に被さって行く1のAL FAGER。エレクトリックなビートの効いた2では、エレキギターが奏でそうな間奏のフレーズをウードが演奏している。ウードでこんなにノリノリになれるなんて不思議。この2と、次の3のアップ・テンポなアラビックポップ風の曲は、ベリーダンサーやクラブ系の人にも好まれそうなキャッチーな感じ。BESAME MUCHO(関係ないけどCesaria Evoraが歌ったべサメ・ムーチョが最高!)のようなメランコリックでムーディーな前奏で始まる4のINDIFFERENTEMENTEは、一瞬中南米の音楽を聴いているかのような錯覚に陥るが、M'BARKAの声が入った途端、一気に地中海世界に引き戻される。(しかもdeepにはまっていく)ベルベルの喉を鳴らす掛け声の入った(祝祭や客人歓迎のときに良く女性たちが鳴らすあの喉を震わす喉蓋音です。)5のAMRAなんかは、グナワの要素を取り入れているのでは?と思うような、音とリズムの展開を見せる。STINGVICENTE AMIGOをフィーチャーして作った楽曲SEND YOUR LOVE(03)を思わせる、フラメンコ・ロック風のFARAHは、通常フラメンコギターが奏でるであろうフレーズをウードが取っていてよりエキゾチック感が増している。アラブ歌謡風の7のZURU ZURU NAPOLI は途中、フラメンコのカンテのような男性コーラスが入る。よくよく歌詞を聴くと、まるでサハラの観光案内であるかのような単語が満載の8のFESTA DI SANTI(シディ・マンスールという聖者の名前や、ハルグースやヘンナといった植物成分のタトゥー、ウードやベンディールといった楽器名、クスクスといった名詞の羅列からなっています。タイトルからもわかるよう、聖者の祭りにちなんだ曲なのでしょう)。ブズーキとマンドリンの美しい演奏で始まるボッサ風?の曲調のALTO CALORE(9)は、ラストのブズーキ、マンドリン、ウードの掛け合いが、はっとするくらい美しい。イントロから始まり、楽曲全体を通してバックに流れている、サハラに吹き渡る風の音を思わせるサンプリング音が印象的な10のDAYIRBIKはウードの伴奏だけで、超低音のヴォーカルを聞かせる。ラストのYASMARは、ギリシア歌謡を思わせるゆったりしたバラード曲だが、第2フレーズから入るキャマンチェの音が砂漠の旅路を思わせる(砂漠とは言ってもサハラではなく、シルクロード)。
他にも、松山さんによるとセファルディ的ニュアンスのメロディ展開や、それこそリズムの組み立て方にはタランテッラの要素も見られるそうだが、何しろ、タランテッラを耳にしたことがない私には聞き取れない部分でした。

簡単にですが、全曲の紹介をしてみました。ところで、私が殆どの曲を「〜風の」とか「〜を思わせる」と表現したのにみなさんはお気付きでしょうか。それぐらいどこの国のとか、どういったジャンルのと分類して表現しづらい楽曲ばかりからなるアルバムです。言葉を変えれば、究極のHybrid音楽、よく出来たミクスチャー音楽ということになると思います。楽曲の構成自体しっかりしていて、弦楽器の競演がけっこうスリリングというか聴き応えがあるし、だけど全体を通して聴くと、けっこうキャッチーで、知らぬ間に一緒に口遊んでしまう♪だけど、M'BARKAのコブシの効いたドスのある?声がPOPになりすぎるのを見事に回避してみせている。すごい才能がある人がトズールから出たんだな!と、まるでトズールが自分の出身地であるかのように嬉しくなってしまった私でした。

弦楽器と書きましたが、使用されている主な楽器をジャケットの記載に即して書いておきますと、カーヌーンキャマンチェ(カマンチェ)チタークラシック&エレキギターブズーキマンドリンチェロコントラバスベースなどなど。。。と並べてみても分かるとおり、西洋のオーケストラで使用される代表的な楽器に始まり、シルクロードを思わせるイランの楽器、勿論アラブや地中海で使用される凡地中海的な楽器などなど、オーケストレーションも素晴らしく、厚みのある音づくりが楽しめると同時に、エキゾチックなサウンドも満喫できます。
このブログで何度も何度も書いたとおり、私は弦楽器が主体となった音楽が大好き。そして、メロディラインから声まで全てが私の「ド」ツボにはまったアルバムでした。これほどワクワクドキドキ、そしてジーンとさせられるCDには、何十枚と聴いた挙句、1,2枚出逢えれば良い方。今年の私の音楽上の収穫はこのM'BARKAと、以前ご紹介したL'HAM DE FOCに出逢えたこと。1年のうちに2つも自分のテイストに合うアーティストに出逢えたなんて、けっこう幸せな1年だったのかも。。。あっ、まだ今年もひと月半ありますから、他にも出逢う可能性は十分ありますね!

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
若者への音楽の浸透ぶりには、目を見張るものがあります。私は特に、時代に乗り遅れていますが、これにも時代差を感じます。音楽文化を享受し損なってしまいました。気にしないで。
筑紫万葉
2005/11/16 20:25
私も音楽にハマったのは遅いですよ。それに、一般の若者にこれらの音楽が浸透しているとは思えません。むしろ、民族音楽やワールドミュージックの熱心なファン層は4,50代のおじさま世代みたいですし。
私の場合、要するにやっぱりオタクなので、いったんはまると音楽に限らず追求したくなる性質なんだと思います。
elly→筑紫万葉さん
2005/11/16 21:06
ellyさんのところでは知らないアルバムばかりだあ。マイナー中のマイナーですねえ。私が知らないだけ?(私はマイナー中のメジャーしか知りません。)さすが音楽オタク&言語オタク&料理オタク&(以下省略)。。。真実への追求近し!!
応援してます!
NAKA
2005/11/17 07:19
ellyさん、aloha〜♪
CDジャケットに掲載されている楽曲評みたいです!すごい!!
私もellyさんのように、好きなものをもっと追求してみようと改めて思いました♪来年の目標は、オタク!!
hoaloha
2005/11/17 13:13
NAKAさんとこでご紹介されてる音楽も私にとっては知らないものだらけですよ〜。特に最近の邦楽路線は大変勉強になっております。あっ、いつも『オタク』だと強調しているので、私ってどんな人だど皆さんに想像されているか、ふと、心配になってしまいました。。。「真実への追求」、ステキなお言葉をありがとうございます。何よりの励ましのお言葉です。いつもいつも感謝!
elly→NAKAさん
2005/11/17 17:34
hoalohaさん、サラ〜ム!!
またまた、嬉しいお言葉!でも、そんなことないです。おきよしさんがご覧になられたら笑われると思います(おきよしさん、音楽記事にて、これは違うだろ〜っていうことがあれば、ご指摘お願いしますね)。筑紫万葉さんのコメントに対して、ハマると追求してしまうと書いてしまいましたが、良く考えると、全て中途半端でここまで来ているなあと思うのです。肝心のところが抜けていたり、間違っていたり。。。
真の?オタクさんは、もっと範囲を絞って深く追求する気がしますので、私がオタクというのは失礼かな〜と思い直しました。
hoalohaさんは世界観がしっかりしていて、好きなものと性格や雰囲気がピッタリしているので、とてもステキだと思いますよ。aloha〜♪な感じがほんわか漂ってます。
elly→hoalohaさん
2005/11/17 17:43
さっきのコメントで「邦楽路線」と書いてしまいましたが、「純邦楽路線」と訂正します。邦楽と書くと、J-POPあるいはJ-ROCKのことと誤解を受けてしまいますよね。
それから、当CDはタワレコやHMVで現在普通に手に入ります。アマゾンでも画像がなかっただけで、販売はされていました。私がご紹介する音楽はNAKAさんに比べて「薄め」だと思いますが、このアルバムは割りと気に入られるのではないかと思います。
elly→NAKAさん(追記)
2005/11/17 17:53

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